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地域を支える金融機関ー課題解決へ多様なサポート①
コロナ禍からの回復もあって活況な一方、深刻な人手不足など、課題は山積みだ。地域を支える金融機関はさまざまな支援で地元をサポートしている。
日本政策金融公庫/起業家育成へ幅広い取り組み
日本政策金融公庫京都創業支援センターは起業家育成で民間金融機関や支援機関と連携し、多様な取り組みを展開している。女性起業家や学生起業家、スタートアップへの幅広い支援が特に好評だ。
同センターは女性起業家のコミュニティー形成が目的の「サロン・ド・こまち」を昨年、地域の支援機関と立ち上げ、事業ステージの近い女性起業家同士がつながる場の提供を開始。8月2日の「女性起業家が語る起業の本音!」セミナーでは、サロン・ド・こまちと連携した交流会で、女性起業家間のネットワーク作りを促した。
9月にスタートアップや支援機関を招いて京阪神のスタートアップ支援の現状を学ぶ社内研修も開き、スタートアップ向け支援を強化する。支援機関との連携を深め、スモールビジネスからスタートアップまで、起業家を幅広く支援していく。
京都信用金庫/中小企業のデジタル化推進サポート
京都信用金庫は、中小企業の経営課題である「デジタル化の推進」を後押しするため、「京信デジタル相談会」を5月に開催した。
5月の相談会は、京都市と京都府中小企業団体中央会で実施する「中小企業デジタル化推進事業」とのタイアップイベント。ITコーディネータ京都(ITC京都)などの専門家による個別相談や、同事業を用いてデジタル化した事業者の講演を行い、リアル・オンラインで100人を超す事業者が参加した。
同イベントを通じて、2023年度の同事業への応募のきっかけとなったり、自社のデジタル化のヒントをつかむ機会につながるなど、参加事業者からは高い評価を得た。
中小のデジタル化支援のニーズは年々高まっている。同金庫は今後も相談会やデジタルサポートサービスを通じ、中小のデジタル化をサポートしていく。
ソリューション提案へコトづくり/ニチコン社長 森 克彦氏
―電気自動車(EV)と住宅間で電力を相互供給するビークル・ツー・ホーム(V2H)システムや、蓄電池システムなどで構成されるNECST事業に注力しています。
「環境・エネルギー関連製品からなるNECST事業は、環境意識の高まりを受け景況感に左右されず伸びており、波に乗った状況だ。ただ、競合企業も増えてきている。差別化には、製品価格だけでなく機能や使い勝手についても顧客ニーズを捉えた製品を出し続けることがカギで、製品開発に注力する。例えば、当社が持つ多様な製品群をIoT(モノのインターネット)化するような通信機能強化は今後の開発のテーマとなる」
―事業拡大に向けたアライアンス戦略は。
「販売面では代理店やハウスメーカー、商品開発では太陽光パネルメーカーなどと連携している。当社は顧客ニーズに合わせて製品を組み合わせ、ソリューションとして提案する『コトづくり』を進める。太陽光パネル、蓄電池、パワーコンディショナーで構成されるトライブリット蓄電池システムはその最たる例だ。ニーズに沿ったソリューションを開発・販売するには、仲間作りが欠かせない」
―コンデンサー事業の足元の状況は。
「中国経済の景況感の悪化が響いている。市場別では家電向け製品も在庫調整時期に入り厳しい。ただ、自動車や産業機器といった市場は半導体の供給緩和もあって今後、回復する見通し。EV向け製品は堅調だ」