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県幹部らが語る 今年度の意気込み―2―
企業局/安全・安心な水を安定供給
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稲見 真二局長(61)
安全で安心な水を安定的に供給することや、常に健全経営をめざすことなどを経営の基本としている。
人口減少など経営環境が厳しさを増す中、将来にわたって水を安定供給するため、水道広域化に向けた取り組みをこれまで以上に関係部局と連携して推進する。特に、広域化を見据えた経営基盤強化を図り、県南西地域の水融通のための管路整備や浄水場の計画的な統廃合など、施設の最適化に取り組む。デジタル技術導入による業務効率化にも積極的に取り組む。また、激甚化する自然災害に対応するため、管路の耐震化や、非常用電源設備の導入を引き続き進める。さらに、よりおいしい水を供給するため、霞ケ浦浄水場に新たな高度浄水処理施設の整備を着実に進める。
地域振興事業では、旺盛な企業立地需要に応えるべく、関係部局や地元市と連携し、つくばみらい市や坂東市、ひたちなか市における新たな産業用地の整備を、スピード感を持って推進していく。
いばらき中小企業グローバル推進機構/グローバル化 強力にサポート
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葛城 慎輔専務理事(66)
当機構は、本県産業の中核を成す中小企業の支援機関として、中小企業の取引先の多角化の支援や新製品・新技術の開発サポート等、中小企業のさまざまなニーズに的確に対応すべく、県および各支援機関と緊密な連携をとりながら業務を進めている。
特に、「グローバルに打って出る」という県の方針に基づき、県内中小企業の製品輸出の拡大等の海外進出の全面的な支援を重点課題と位置づけ、海外展開支援体制をこれまで以上に強化し、県、ジェトロ茨城と連携しながら、グローバル進出を目指す中小企業を強力に支援する。
具体例としては、国内外で開催される輸出商品展示商談会への県内中小企業の出展をサポートし商談を伴走支援することや海外マーケットのニーズに適合した商品開発を支援して輸出競争力のある商品の投入につなげること等の施策を通じて、県内中小企業のグローバル化に着実に寄与していく。
茨城県産業技術イノベーションセンター/新ビジネス創出を支援
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吉富 耕治センター長(56)
産業技術イノベーションセンターでは、企業のイノベーション創出をリードするため、将来性のある分野に関する先導的な研究を推進しているほか、ビジネスプラン構築研修などビジネス創出支援等に関するさまざまな施策を展開している。
今年度は、企業の新分野進出および人材育成に向けた支援に注力するとともに、製造工程の自動化・省力化に必要なツールの開発や実証試験等の伴走支援を行う。
また、センター保有の乳酸菌等を活用した、品質低下の進行が緩やかな日本酒の製造に関する勉強会の開催など、日本酒の海外展開に向けた活動を充実させる。さらに、企業の宇宙ビジネス参入を加速させるため、超小型人工衛星の長寿命化等の研究成果を発信し、県内企業との共同開発を目指す。
このような取り組みに加え、健康・長寿やカーボンニュートラルなど今後の発展が見込まれる分野にもチャレンジし、本県産業の発展を牽引していく。
茨城県信用保証協会/経営課題に向き合う中小後押し
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小泉 元伸会長(64)
茨城県内中小企業を取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症の影響が和らぐもとで、県内の景気が緩やかに持ち直している一方、原材料価格高騰の影響や人手不足、事業再構築などの経営課題に直面する中で、コロナ関連融資の返済が本格化する時期を迎えている。
このような中、当協会は、中小企業の資金繰りを引き続き支援していくため、国や県の施策に呼応し「伴走支援型特別保証」や「県パワーアップ融資」による借り換えを提案するなど、外部環境や個々の収益の状況に応じた対応を積極的に進めていく。
また、事業再構築などポストコロナにおけるさまざまな経営課題に向き合う中小企業を後押しするため、金融機関や中小企業支援機関、外部専門家などとのネットワークを活用しながら、中小企業に寄り添ったきめ細やかな経営支援に取り組み、地域経済の回復とさらなる発展に貢献していく。
茨城県開発公社/用地開発で産業振興に貢献
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池畑 直美専務理事(63)
茨城県開発公社は、県の施策展開の一翼を担う機関として1960年(昭35)の設立以来、県勢発展の先導的役割を担い、県土の発展と県民福祉の増進に寄与してきた。
2013年からは公益法人に移行、また20年7月には茨城県企業公社と合併し、これまでの土地開発事業や茨城空港旅客ターミナルビル事業、宿泊施設事業などに加え、県民生活に欠かせない安心・安全な水づくりを支える水道事業を行っている。
特に土地開発事業では、県施行の産業用地開発に係る用地取得および設計・工事等を県と連携して行っており、公社の持つ専門性を最大限発揮し事業を円滑に進めることにより、本県の発展と産業振興にさらなる貢献をしていきたい。
今後も、「新しい茨城」づくりのため、これまで積み重ねてきた知見やネットワークを活かし、県および市町村等と連携しながら、新たなチャレンジと既存事業の着実な推進の双方に尽力していく。
つくば研究支援センター/地域企業とベンチャー交流促進
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箕輪 浩徳社長(62)
当社は会社設立以来、ベンチャー企業や地域企業の新事業創出をサポートしている。
ベンチャー支援にあたっては、オフィスやラボの提供を中心としつつ、ハード、ソフト両面で、企業の成長段階に応じた切れ目のない支援を行う体制をとっている。
創業を目指す人向けの創業スクールの開催や、全国の支援機関や大手企業等と連携した技術発表会の開催により、ベンチャー企業の技術の発信やマッチングを支援している。
また、TCIベンチャーアワードを開催することで、優秀なベンチャー企業を顕彰し、大手企業やVCとつなげることで、その成長を支援している。
最近は、地域企業とベンチャー企業、研究者をつなげるイベントを開催し、企業や研究者の垣根を超えた交流の場の創設にも力を入れている。
今後も研究機関や大学、茨城県、つくば市などとともにベンチャー企業や新技術開発に取り組む地域企業を支援していく。
ひたちなかテクノセンター/企業コーディネーター活動強化
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木村 憲寿専務(64)
原材料やエネルギー価格の高騰、慢性的な人材不足、DX等急速な技術革新への対応など、中小企業を巡る社会経済情勢は大きく変化しており、産業支援機関として、これらに的確に対応することが求められている。このような中で、当社の持つ人的資源と幅広いネットワークを最大限に活用し、課題解決に向けた支援業務をより一層強化していく。
重点を置く取り組みとして、企業支援コーディネーターの活動強化と支援地域の拡大を図り、企業に寄り添う幅広い支援を展開し、持続的に成長できるよう経営をサポートしていく。また、創業やDX導入支援に係る推進体制を強化し、地域産業の活性化・高度化の取り組みを加速させるとともに、中小企業の人材確保に向け、プロ人材や外国人材、副業・兼業の活用など多様な支援事業を展開する。
さらに専門性の高いセミナーを企画し、IT・AI等の中核人材を育成し、地域経済を牽引する企業を育成していく。
日立地区産業支援センター/脱炭素化・DXなど重点支援
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菊野 洋二センター長(60)
新型コロナウイルス感染症の法的位置付けが、5月に季節性インフルエンザと同じ「5類」へと移行したことに伴い、社会経済活動の正常化へ大きな区切りとなる兆しも伺えるが、世界的なエネルギー価格や原材料費の高騰、人件費の引上げ等により、国内経済における不透明感が依然強く残る状況である。
こうした中で、当センターは中小企業に対し、従来から行ってきた支援と、変化の波に対応した新たな支援とを、バランス良く、かつ積極的に推進していく。
今年度は、世界的な脱炭素の潮流に適応し競争力の維持・向上を支援する「脱炭素化促進事業」、生産性向上のみに留まらずデータを活用した新たなビジネスモデルの構築までを目指す「DX促進事業」、当センターが中心となり地域ぐるみで中小企業の人材に係る課題解決を図る「『地域の人事部』事業」、以上の3点を重点的に推進することにより、地域産業の活性化を図る。
茨城ポートオーソリティ/港湾脱炭素化を推進
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仙波 義正社長(62)
茨城港(日立港区、常陸那珂港区、大洗港区)は、広域的な交通インフラの整備効果等により、首都圏の「北側ゲートウェイ」として、物流・人流の一翼を担っている。
来年4月に迫ったトラックドライバーの労働時間上限の規制強化 (物流の2024年問題) への対応として、現在、地方港を活用するモーダルシフトが注目されている中、茨城県においては、本年3月に「茨城港港湾脱炭素化推進計画」が法定計画として制定され、カーボンニュートラルの推進に取り組んでいる。
このような中、関係者と連携して3港区それぞれの強みが相乗的に発揮されるよう一体的な港湾管理および港湾振興に努め、茨城港のさらなる利用促進と良質な港湾サービスの提供および脱炭素社会の実現を目指していく。
また、港湾周辺の都市づくりにも積極的に参画し、地域全体の発展やにぎわいづくり創出に貢献していく。
鹿島埠頭/安全で質の高い港湾サービス提供
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岡村 弘志社長(64)
鹿島港は、鹿島臨海工業地帯の海上輸送基地としてエネルギー、鉄鋼、石油化学等の産業を支え、近年は貨物取扱量が年間5000万トンを超える水準で推移している。
また、国が推進するカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みの中、洋上風力発電における基地港湾として、岸壁や埠頭用地の整備が進められており、再生可能エネルギーの産業拠点として当港の役割が一層期待されている。
このような中、当社では、基幹事業の曳船業において、近年の船舶の大型化等を背景とした需要の増加に対応すべく、曳船の更新検討を行いながら、船隊の維持を図り、県内港湾における入出港船舶の安全確保に努めるとともに、茨城県沿岸での海上災害等の有事における防災活動も支援していく。
港湾情勢の変化や多様化する顧客ニーズを的確に捉え、安全で質の高い港湾サービスの提供を通して、地域経済の発展に貢献していく。
日立埠頭/4400馬力の曳船就航
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家次 晃社長(62)
当社は、茨城港日立港区および常陸那珂港区を中心に、港湾荷役作業、通関・倉庫・貨物の配送に関連する業務、船舶が入出港する際の支援業務等を提供している。
昨今の当社の状況としては、船舶の大型化および顧客ニーズに対応すべく、4400馬力の曳船を新たに建造し6月8日に就航した。今後も日々変化していく環境に対して、情報を素早くキャッチし、新しいチャレンジをしながら事業の拡大・発展に努めるとともに、人々の社会生活を支える「エッセンシャルなサービス」の担い手として、安全・迅速・確実なサービスをお客さまに提供していく。
また、茨城港においては、次世代エネルギーの供給拠点化、再生可能エネルギー導入促進等、「港湾脱炭素化推進計画」の検討が始まった。
当社としても脱炭素社会の実現に向け積極的に取り組んでいくことで茨城港並びに地域社会の発展に貢献していきたい。
茨城県観光物産協会/体験型観光コンテンツ提供
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石毛 光子専務理事(62)
当協会は、観光庁の「登録観光地域づくり法人」として、市町村や関係団体、観光関連事業者と連携して、魅力があり、かつ稼げる観光地域づくりを推進している。
新型コロナウイルス感染症の影響により観光産業への打撃は約3年に及んだが、5月の感染症法上の5類への移行と前後して、観光地等への入込客はインバウンドも含めて着実に戻りつつある。
今年の10月から12月にかけては「茨城デスティネーションキャンペーン」の実施が予定されるほか、「全国育樹祭」や「G7内務・安全担当大臣会合」も開催されるなど、本県には国内外から多数の方が来県する。
当協会としては、こうしたチャンスを最大限に活かして、新たな体験型観光コンテンツの提供やおもてなしの充実、県産品の販路拡大などに関係者と一層連携して取り組み、国内外の観光客に本県を選んでもらえるような観光地域づくりのかじ取り役を果たしていく。