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点検・保守管理を励行
事故未然に防ぐ
厚生労働省によると感電とは、人体に電流が流れ障害を受けること。電気製品や電気設備の不適切な使用、電気工事において何らかの原因で人体もしくは作業機械が送電線へ引っ掛かるほか、漏電の発生および自然災害である落雷などの要因によって引き起こる。電気の危険性について意識を高め、電気機器や配線に対する日常の点検・保守管理を励行することが重要となる。
また電気配線や電気器具類には、電気が漏れないように絶縁処理が施されている。漏電はこの絶縁体の劣化や破損、外的要因により電気的に接続されることで、目的の電気回路以外に電流が流れることを指す。漏電は電力の損失であるばかりか、火災や感電などの原因ともなり得る。
電気設備の施工や保守、メンテナンスなどの作業現場では重要なツールとして、手にして作業するハンドヘルド型の電気測定器が欠かせない。
これらのフィールド用で使われる電気測定器は「現場測定器」とも呼ばれ電圧や電流、抵抗の値を測定するマルチメーターやクランプメーター、保安管理上重要な測定項目の一つである電気機器や電路の絶縁状態を調べる絶縁抵抗計など、測定目的により多くの機器がある。
現場測定器 データ転送、測定者1人で対応
現場測定器は近距離無線通信規格「ブルートゥース」などのワイヤレス技術を取り入れて、市場投入されるモデルが増加している。販売コストでは見えない作業効率の向上、省人化など高いメリットを背景に注目を集めている。
こうしたワイヤレス技術を搭載した現場測定器は、現場で測定したデータをスマートフォンやタブレット端末などに転送できる。これまで測定者と測定値の記入者の2人が必要とされた現場が、測定者1人で対応可能となる。測定箇所が多い作業場での測定時間短縮や、手入力による記載ミスを無くすことができ、リポート作成なども容易に行える。
共立電気計器は自社開発した測定記録アプリケーション「KEW Smart(キュースマート」を提供している。同社のアプリは、端末側の使いやすさや利便性、測定値を波形やグラフ表示する視認性など、作業者の測定要望を反映しており、作業効率を高めている。
また関電工の測定記録支援システム「BLuE(ブルー)」は共立電気計器などワイヤレス技術を搭載した国内メーカーの現場用測定器を対象に、測定データをパソコンやタブレット端末で受信し、CADやPDFの図面、表計算ソフトウエアのエクセルに直接入力できる。
このほか異常発熱を目視で確認できるのが、アセイ工業の温度表示ラベル。このラベルは一定の温度を超えると変色するため、鉄道架線などに巻き付け、過電流などによる異常な発熱を発色で検知し、発火や火災を防ぐ。ラベル表面に特殊な耐候性フィルムを被膜することなどで30年以上、退色しない長寿命化を実現。ラベル交換頻度の削減と作業負荷が軽減できる。