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保護・品質保持に不可欠
容器は内容物の保護・品質保持と、確実で効率のよい保管・輸送の実現に不可欠な役割を担っている。内容物の保護としては、外に漏出させないことや、固形物であれば破壊から守るという物理的な保護、空気(酸素)や光による劣化に対する化学的な保護、微生物やウイルスに対する衛生的な保護だ。
容器に入った商品がユーザー、消費者の手元に届き使用・消費されると容器の役目は終わる。容器の所有者が消費者ではなく販売業者である高圧ガスボンベのような産業用容器や、一升瓶のような再使用できる容器でなければ、かつては役目が終わると廃棄されてきた。
地球環境問題が深刻化する中で、社会の持続可能性が厳しく問われている。大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会から循環型社会への転換が急がれており、容器・包装資材についても、資源の効率利用、循環が求められている。
循環型社会の重要なテーマが廃棄物に関する①廃棄物の発生抑制(リデュース)②製品・部品の再使用(リユース)③再生資源の利用(リサイクル)の3R推進だ。容器・包装資材分野では自治体、消費者、産業界が連携し、3R推進に取り組んでいる。
容器包装リサイクル法の対象であるガラス瓶、ペットボトル、紙製容器包装、プラスチック容器包装、スチール缶、アルミ缶、飲料用紙容器、段ボールの8素材の容器包装について、それぞれ3R推進に取り組む8団体が3R推進団体連絡会を組織している。
リサイクル率、高水準を維持
リデュースについては、容器包装の基本的な機能を損なわないことを前提に、軽量化や薄肉化、無駄のない形状への変更、コンパクト化など、各団体はそれぞれの素材の特性に応じ、資源使用量や環境負荷削減の取り組みを展開している。素材に応じたリデュースの指標を定め、数値目標を掲げている。
内容物の保護という容器包装の機能を損なわないようにするため、リデュースには一定の限界がある。各素材ともその限界を見極めつつ2025年度の目標を定めている。
リデュースの効果を、第一次自主行動計画の06年度から累計すると、21年度の累計削減量は約1108万トンに達する。スチール缶について21年度の実績をみると、1缶当たりの平均重量の軽量化率は基準年の04年度比で9・1%。06年度からの累計削減量は34万6000トンになった。
また、各素材のリサイクルの状況は、スチール缶やアルミ缶、段ボールでは90%以上のリサイクル率、回収率が維持されている。21年度のスチール缶のリサイクル率は93・1%で、自主行動計画2025の目標「93%以上維持」を達成している。11年連続でリサイクル率90%以上となっている。