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千葉で活躍する企業・団体 わが社のイチ押し製品・サービス・技術 ―2―
ミヤコシ インクの水分過多・凝集検知
AI印刷アシスト装置開発
ミヤコシ(千葉県習志野市、宮腰亨社長)はトップクラスの印刷機メーカー。帳票類(ビジネスフォーム)の印刷機械、印刷物の宛名などを印刷するデータプリント用印刷機械、飲料や医薬品のパッケージを印刷する包装用印刷機械など、さまざまな機能や素材、加工に対応した印刷機械をオーダーメードで製造している。設計から製造、販売、保守メンテナンスまで一貫して行うことで、スピーディーな対応が可能となっている。
最近では、印刷会社の熟練オペレーター不足を解消する、AI(人工知能)を使った印刷操作アシストシステム「ヤレスAI=写真」を開発した。カメラやセンサーを使い、インクの水分過多や凝集を検知する仕組み。印刷時にロスとして発生する「やれ紙」を低減する。いわば、熟練工の勘をAIで補うシステムであり、同社のテストではやれ紙を38%削減。大幅なコストダウンを確認した。2024年の市場投入を計画している。
東葛テクノプラザ スタートアップ育成 一貫支援
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東葛テクノプラザの小型電波暗室。外界からの電磁波を遮断し、電磁波によって電子機器が受ける影響を調査する
柏の葉に産業支援施設
東葛テクノプラザ(大竹悦司所長)は、千葉県柏市柏の葉エリアに立地する産業支援施設だ。東京大学柏キャンパスをはじめ、同エリアに集積する大学や病院、研究施設と連携し、ベンチャーの育成と中小企業の新事業進出を支援している。
建物は6階建て。1階には試作加工室、電気・電子測定室、2階には試験・分析室、電波暗室などに先端試験機器をそろえる。3階から6階がインキュベーション(創業支援)施設で、1998年の開所以来、約150社が巣立った。ベンチャー育成だけでなく、中小企業への試験機器の開放や経営コンサルティングも行っている。
近年力を入れているのが、県内企業と医療機関、大学が連携する「ちばメディカルネットワーク」の取り組みだ。世界の経済発展と医療技術の発展により健康・医療市場は拡大し続けている。東葛テクノプラザは同分野での県内企業の発展を目指し、参入から製品開発、事業化までを一貫で支援している。
板屋製作所 板バネ金型メーカーと連携
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金型に関する提案力を強化し、板バネ用マルチフォーミングマシンを拡販
マルチフォーミングマシンと機械搭載金型セット販売
板屋製作所(千葉県松戸市、板屋太郎社長)は、自社開発する板バネを製造するマルチフォーミングマシンと、機械に搭載する金型をセットで販売する。板バネの金型を製造する企業と手を組んで近く始める。金型に関する提案力を強化し、機械本体の受注機会の損失を防ぐ。国内で年間に数台の販売を目指し、主力の線バネ用に続き、板バネ用の販売体制を整える。
金型については、今回、タイアップする板バネの金型メーカーがマルチフォーミングマシンに搭載する金型も製造する。これを板屋製作所が機械本体と一体供給し、ユーザーの利便性も高めることで販売に結び付ける。
同社は国内で最大規模の線バネ用マルチフォーミングマシンのメーカー。同社の線バネ用を導入しているが、板バネ用は他社製を使用するユーザーの置き換え需要も取り込みたい考えだ。主力の線バネ用とともに、板バネ用も供給できる強みを生かし、シナジーを発揮していく。
千葉県商工会議所連合会 人材定着・育成プログラム提供
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リクルーター養成ゼミなどゼミ形式の講座を中心に運営
採用力向上サポートプロジェクト
千葉県商工会議所連合会は千葉県商工会連合会と共催で、新卒採用のサポートを中心に人材の定着・育成プログラムを提供する「採用力向上サポートプロジェクト」を展開している。2016年にスタートし、これまでに850社以上の企業が登録。またプロジェクトで提供する講座や就職情報交換会などのプログラムへの累計参加企業は3500社を超えている。
千葉県補助事業として実施しており、同県に本社・事業所を置く中小企業が対象だ。人手不足を解消するためのリクルーター養成ゼミや、自社PRの担い手を育成する若手社員スキルアップサポート講座など、企業の採用担当者自らが採用活動から人材の定着、育成について学ぶゼミ形式の講座を中心に運営。
同時に高校・大学・専修学校といった県内の教育機関と連携し、プロジェクトで提供する講座や就職情報交換会などを通じ、企業の人材確保の実現と、学生・若手層の就職・地元定着を目指す。