-
業種・地域から探す
クレーン、リフトが活躍
巨大な荷物や重量物をつり上げ運搬するクレーンは、使用する場所や運ぶ荷物によってさまざまな種類がある。工場内の運搬に利用される天井クレーンはクレーンガーダと呼ばれる荷を受ける構造物が、建屋の両側の壁に沿って設けられたランウェイ(走行軌道)上を移動する。これと同じ構造・形状であれば、屋外に設けられたものでも天井クレーンに含まれる。
橋型クレーンは、天井クレーンのクレーンガーダの両端に足を設け、地上または床上の走行レール上を走行するようにしたもの。多くは屋外に設置されている。このうちコンテナ専用のスプレッダと呼ばれるつり具を備えたものを、コンテナクレーンあるいはガントリークレーンと呼ぶ。主に埠頭でのコンテナの荷役作業で使用される。操縦者は高所に設置された操縦室で、足元の窓から荷物の位置を確認する。位置を見定めたら荷物に向かってスプレッダを降ろし、固定して運搬する。
ジブを持つジブクレーンもさまざまな作業現場で利用されている。ジブとは、つり具に必要な作業半径または高さを確保するクレーンの構成部品のことで、斜めや水平に突き出した腕の部分を指す。建設現場や埠頭での荷役作業、造船所での艤装など、それぞれの用途に合わせた多様な形状、種類が存在する。このほかクレーンにはアンローダー、ケーブル、テルハ、スタッカーなどの種類がある。
作業効率化に貢献
フォークリフトや台車、ハンドリフトも作業現場の効率アップに貢献するアイテム。小回りがきき、狭い場所にも入り込めるものや、だれでも簡単に重量物を運搬できるものなど多様なニーズに応える製品が開発され、作業現場の省力化や省人化に役立っている。
例えばロールの搬送、反転、昇降が可能で、機械への装着も容易にできるリフトなども開発、販売されている。また、一斗缶や業務用の大袋に入った原料を機械などに運搬し、投入する機器なども製品化されている。人手不足に悩む現場の作業効率向上に大きな役割を果たしている。
脱炭素化進む
新型コロナによる行動制限が大幅に緩和され、人・モノの動きも活発化している。日々大量の貨物が行き交う港湾でも、さまざまな運搬・荷役機器が活用されている。脱炭素化の動きが強まる近年、港湾施設にも変化が求められている。
水素やアンモニア燃料などの活用を進め、港湾設備を脱炭素化する「カーボンニュートラルポート(CNP)」の動きが始まっている。兵庫県は、2023年度中にも官民連携で「播磨臨海地域カーボンニュートラルポート形成計画」を策定する。これに合わせて、水素ステーション整備や燃料電池(FC)バス導入などの支援を強化する。
また、大阪市は大阪港で脱炭素化に配慮して港湾機能高度化を図るための戦略「大阪港カーボンニュートラルポート形成計画」案を作成した。水素や燃料アンモニアなどの調達や活用、港湾荷役機械の電動化や燃料電池(FC)化などで30年度の温室効果ガス(GHG)排出量を13年度比46%減の1104トンとして50年のカーボンニュートラル(GHG排出量実質ゼロ)実現につなげる考えだ。
これまでフォークリフトなど小型の機器の燃料電池(FC)化は進められてきたが、ガントリークレーンなどの大型機器は稼働時間や充電設備が開発の障壁となっていた。CNPを機に、大型運搬機器のFC化や、電動化に向けた取り組みが欠かせない。