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超高速・多数同時接続・超大容量・超低遅延
「5G」スマホ 97% ―昨年度出荷台数
5Gは現行の4Gの一つであるLTEと比べて、データ通信速度は約100倍の1秒当たり10ギガビット、伝送時の遅れは10分の1となる1ミリ秒を実現する。2020年3月末に国内でサービスが開始され、スマートフォンなどの対応端末のラインアップ、通信エリア拡充が進んでいる。6ギガヘルツ以下の周波数帯を用いたSub6(サブシックス)と、24ギガヘルツ以上の周波数帯を用いたミリ波に分けられる。
ミリ波は超高速・大容量通信が可能だが、直進性が高く障害物に弱い特性がある。Sub6帯はミリ波に比べ遮蔽(しゃへい)物に強い。
MM総研の「2022年度通期国内携帯電話端末の出荷台数調査」によると、22年度の国内の5Gスマートフォンの出荷台数は前年比24・2%増の2902万9000台で、スマートフォン出荷台数全体の97・2%を占めるまでに拡大した。
このように5Gの利用が進む中、2月27日から3月2日まで、スペインのバルセロナで、モバイル技術の見本市である「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)」が開催された。NTTドコモは6Gのユースケース(活用例)として、通信ネットワークを介して人の動作を精緻に共有する技術などを紹介。また情報通信企業、電子測定器メーカーなども6G実現に向けた提案を行った。
ミリ波対応材料 ニーズ高まる
荒川化学工業は「フレキシブル基板(FPC)を多用するスマートフォンなどのモバイル機器において、5Gのミリ波対応に必要な高周波FPCや、低誘電材料のニーズが高まっている」と捉える。同社のFPC用材料は、低誘電特性とほかの基板材料として必要な物性(耐熱性、絶縁性、加工性など)を両立する強みを生かし、ミリ波需要に応えている。
5Gの拡大や6Gの実用化に向けた動きは、新技術への対応に加えて、新規産業・サービス創出も期待されている。