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水漏れ検知機能を搭載したリンナイの業務用給湯器「RUXC-SE5001」シリーズ -
CKDの北陸工場(完成予想図)
リンナイは水漏れ検知機能を業界で初めて搭載した業務用ガス給湯器「RUXC―SE5001」シリーズを6月20日に発売する。最大30台の給湯器を連結して運転でき、給湯能力は1500号(25度C加温した湯で毎分1500リットル)で業界最高レベルの水準。代理店を通じ、ホテルや医療施設、学校などに向けて販売する。ボイラに代わる熱源機として提案を進める業務用給湯器の位置付け。運転状況を含めた遠隔監視システムも搭載する。
車載向けを中心とする半導体需要の増加を背景に、半導体製造装置向けの機器製品が堅調に推移しているCKD。半導体製造プロセスに必要な流体制御機器を幅広くラインアップした。微細化の進展など半導体製造の高度化に伴う高精度化、高清浄度化の要求に応えている。
需要の拡大を見据え、宮城県大衡村にある東北工場に隣接する工場物件を取得し、生産体制を拡充する。取得した同物件は東北工場の約2倍となる敷地約7万1000平方メートルで、工場建屋面積が約1万8000平方メートル。
同機器製品の生産増強に向けては、24年に石川県小松市で北陸工場の稼働も計画する。成長分野に向けて投資を積極化し、事業構築を加速している。
各種機器開発とともに、工場のスマート化などを支援するソフトウエア開発にも注力しており、3月にパソコン1台で情報収集から設備制御までが可能なデバイスプログラミングツール「ExiaStudio」を発売した。同社製電動アクチュエーター「ROBODEXPulse」を中心とした各種機器をパソコンで制御できる。専門知識が不要で、容易にプログラミングでき、設備のスマート化やデジタル変革(DX)化に貢献する。
プログラマブルコントローラー(PLC)を使用しないため部品点数の削減が図れるほか、煩雑なデータ連携作業を軽減し制御設計工数の削減にも貢献する。データのエクセル連携機能も備えるなど、製造現場のIoT(モノのインターネット)化の実現を支援する。
CAEで迅速な改良提案
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旭サナックの粉体塗装の大型実験設備
旭サナック(愛知県尾張旭市、間宮幹雄社長)は本社敷地内に建設していた「粉体塗装技術センター」を開所した。粉体塗装検討用の大型実験設備や分析装置を完備。同社は塗装機械の製造販売を手がけており、新センターは今後の需要増が見込まれる粉体塗装の技術提案に特化させる。同社で初めてのサイズとなる大型の粉体塗装実験設備と、機械メーカーでは珍しい粉体の粒度分布や特性を分析できる装置などをそろえた。粉体塗装は塗装面が粗い課題があるが、機械が一様に塗装するため品質が均一で、有機溶剤などを使用せず環境にも優しい。
超硬合金素材や金型部品などの営業体制を拡充しているトーカロイ(同瀬戸市、松本秀彦社長)は、関東営業所(さいたま市大宮区)を開所した。本社、岡山支社(岡山県津山市)、神戸営業所(神戸市東灘区)に続く4拠点目となる。不十分だった愛知県以東の顧客の対応を強化する。現在、関東圏の売上高は全体の約1%で、2年後の25年度(26年3月期)までに15%への引き上げを目指す。
同社は超硬合金素材や金型部品、スプレーノズルを手がけ、コンピューター利用解析(CAE)を使った迅速な改良提案を強みとする。現在は自動車関連向けが売上高の約6割を占める。関東営業所の開所を契機に、より広範囲な分野の開拓に努める。
高精度加工で顧客対応強化
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中日クラフトのファイバーレーザー溶接機「CHU-LW-2000」
浜名エンジニアリング(同豊橋市、後藤健社長)は本社工場を豊橋市内の三弥工業団地に移転する。9月稼働予定。主力の自動搬送システム製造を効率化する。レーザー加工機や3次元測定機などの新規設備も導入し、高精度化する顧客のニーズに応えるとともに、新たな分野の需要も取り込む。
現本社工場が手狭になっていたことに加え、海が近く事業継続計画(BCP)の観点からも内陸地への移転を決めた。併せて板金加工を手がける豊川工場(愛知県豊川市)と、組み立て工程で使用している近隣の貸し工場の二つの機能を新本社工場へ集約。従来、トラックで工場間を運搬していた分の時間を省き、納期短縮を狙う。
永田鉄工(同豊川市、林臣充社長)は本社工場にスイスのライスハウアー製で小径砥石を搭載した歯車研削盤「RZ160KWS」を導入した。ライスハウアーによると同機の国内導入は初めて。従来はワークの干渉のために困難だった段付きギアなどの一体加工が可能になった。主力の歯車生産を効率化するとともに、幅広い分野の部品加工に対応できる体制を整える。
中日クラフト(同春日井市、毛利陽一社長)は低価格のファイバーレーザー溶接機「CHU―LW」シリーズを発売した。溶接、切断、溶接焼け取り、クリーナーの4機能を搭載。設計開発は自社でしつつ、製造を中国ですることで低価格化した。レーザー溶接は、アーク溶接やTIG(タングステン不活性ガス)溶接に比べ扱いやすく、きれいに溶接できるが溶接機の価格が高く、導入の障壁となっていた。低価格化で溶接を必要とする板金加工や製缶加工の中小企業を中心に広く提案する。