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食の安心・安全を支える
樹脂コンベヤーベルトに求められる性能には、抗菌や防カビをはじめ、耐熱性、帯電防止、耐薬品性などがある。メーカー各社は用途に応じた機能を備えたベルトを展開し、顧客の要望に応えてきた。
主な用途先市場である食品業界では、食の安心・安全のための衛生管理が重要視される。メーカー各社は製造現場の衛生管理をサポートする製品を多数展開している。
衛生面での取り組みとして、メーカーではベルトの抗菌、防カビ性能や、ベルトの心体に使用される帆布がほつれ、異物として混入するのを防ぐ糸ほつれ防止機能やベルト側面をカバーすることで対応している。さらにベルト表面に視認性の高い青色系を使って異物混入の防止にあたっている。天然の食品にはほとんど存在しない青色を使うことで、異物を検出しやすくなり、異物混入の防止や清掃の確認作業に役立つ。
省人化ニーズに対応
衛生面だけでなく、現場の省人化へのニーズも高まっている。多種多様な未包装食品を搬送する食品の製造ラインでは、搬送物の非付着性も作業効率に少なからず関わっている。これに対してメーカーでは、炊きたての米飯やパン生地などの搬送用途に、耐熱性や剥離性、滑り性を高めたベルトを提供している。また、ポリウレタンとシリコーンのハイブリッド材料を適用させ、剥離性とその持続性、滑り性を両立させたベルトを売り出しているところもある。
またあるメーカーではベルト裏面の帆布を改良し、従来品よりもベルトの寸法変化を抑制した樹脂ベルトを開発した。搬送する食品に由来する油や粉などがベルトの裏側に潜り込むのを防ぎ、熱水洗浄によってベルトの波打ちや寸法変化が起こるのを抑制する。低収縮性に加え、耐湿熱性、耐薬品性に優れる。
日常的に行われるベルトの繰り返しの洗浄作業に耐えられるように耐久性や耐薬品性を向上させ、製品寿命の延長や、効率化に貢献している。