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インタビュー/JATMA会長(横浜ゴム社長) 山石 昌孝氏
タイヤ空気圧点検を啓発
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JATMA会長(横浜ゴム社長) 山石 昌孝氏 -
タイヤの日のタイヤ点検ポスター(QRコードからも空気圧点検手順 のイラストが閲覧できる) -
空気圧点検手順
日本自動車タイヤ協会(JATMA)は2000年より4月8日を「タイヤの日」と制定した。ドライバーに自動車タイヤへの関心を喚起し、タイヤの正しい使用方法を啓発することで、交通安全の対策に取り組んでいる。山石昌孝JATMA会長(横浜ゴム社長)に、空気圧点検など日常の点検や整備の大切さについて聞いた。
-あす8日はタイヤの日を迎えます。
「自動車はモビリティーの主役で、その自動車を支えるタイヤは最重要部品の一つ。タイヤは『安全』と『環境』が常に求められている。時代の変化にかかわらず、このことは不変だ。当協会では春の全国交通安全運動が実施される『4月』、タイヤのイメージとして『8(輪)』から4月8日をタイヤの日と定め、タイヤ空気圧点検の重要性を訴求するイベントの実施やポスターを制作するなど安全啓発活動に取り組んでいる」
「タイヤは自動車の重さを支え、駆動力・制動力を路面に伝えるとともに、路面からの振動を吸収、自動車の方向を転換・維持する大切な役割を持っている。こうした中4台に1台で空気圧が不足している」
-空気圧不足の影響について教えて下さい。
「4台に1台が空気圧不足というデータは当協会が全国各地で実施した『タイヤの日タイヤ点検』と例年秋に実施している『浜名湖サービスエリア(SA)タイヤ点検』の点検結果で、20、21年を除く直近の5年間での空気圧不足の車両台数から算出した」
「空気圧不足によって走行の安全への悪影響や燃費効率の低下が懸念される。タイヤ1本当たりの接地面積は、はがき1枚分と言われている。空気圧が足りないと、タイヤが偏って擦り減っていく偏摩耗が発生し、またタイヤのサイドウォール部が過度の屈曲変形を繰り返すことで発熱し、これがバーストにつながる可能性もある」
-安心で燃費のよい走行にはタイヤの点検が欠かせません。
「乗用車はドライバーだけでなく家族や大切な人を乗せて走る乗り物であり、快適で楽しく安全な空間であるべきだ。そのためにも日常のタイヤ点検を啓発している。空気圧の点検だけでなく、タイヤにキズやクギなどの異物が刺さっていないかタイヤ全体のチェックも必要だ。セルフ式のガソリンスタンドが普及していることから、点検に対するドライバー自身の日頃の気配りが大切になっている」
「加えて残り溝の深さ1・6ミリメートルを示す目安であるスリップサインにも注意してほしい。タイヤの溝が浅くなると、水のたまった道路を走行する際にトレッド部の排水能力が低下し、ハイドロプレーニング(タイヤの水上滑走現象)が起こりやすくなり、この状態は極めて危険といえる」
-JATMAの取り組みについて。
「タイヤの空気圧は自然に低下していくため、月一度はタイヤの空気圧を点検してほしい。当協会はこれからも啓発活動を通じて、タイヤの安全性を訴求していく。安全だけでなく環境に関しても、21年に改訂した『タイヤのLCCO2算定ガイドライン』を活用し、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)達成に向け最大限に取り組んでいく」
タイヤの日 JATMAが安全啓発活動 PA・SAで
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これら以外の啓発活動は、5月に実施される春の全国交通安全運動を考慮に入れて調整・準備を進めている。
JATMAはタイヤの日に合わせ、同協会各支部を通じて高速道のパーキングエリア(PA)やサービスエリア(SA)でユーザーにタイヤの空気圧点検をはじめとする日常点検・整備の重要性の訴求活動を行う。同時に店頭でのポスターを用意し、広く啓発を図る。