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流通最前線
オートバックスセブン
地域特性・時間帯が大切
オートバックスセブンは2023年1月発表時で国内ではグループ全体で合計589店舗を展開している。全店の自動車タイヤにおける23年4―12月の売上高は、前年同期比9・9%増の460億9300万円となった。タイヤについては品ぞろえや販売促進、既存車のメンテナンス需要により堅調に推移。また22年12月の寒波や降雪の影響によるスタッドレスタイヤの好調な動きが売り上げ増を支えた。
タイヤ・ホイール・スポーツ商品部タイヤグループの小倉裕バイヤーは「半導体不足による新車減産の影響で、メンテナンスを行い、既存車を長く愛するオーナーが増えている」と話す。
こうした中、顧客のタイヤに対する要望は価格と性能のバランスの提供が重要になっている。性能では「お客さまが乗車される地域の特性、時間帯もタイヤを選ぶ際の重要な要素」と小倉バイヤーは強調。これから梅雨を迎えるに当たり、雨天のドライブが多いオーナーには、ウエット性能が高いタイヤを紹介し、より安全で安心な運転を楽しんでもらう気遣いを忘れない。
また走行中の路面からのロードノイズに対する静音性に優れたタイヤの要望に加え、首都圏などでは降雪時にも対応可能なオールシーズンタイヤの人気も高まっている。
近年はミニバンやスポーツ多目的車(SUV)など車種が増え、運転の楽しみが拡大。小倉バイヤーは「車種や楽しみ方で、タイヤの選択も広がる。店舗でスタッフに気軽に話しかけて欲しい」とし、来店者との会話の中からベストマッチのタイヤやアドバイスを行っている。
同社の店舗では空気圧点検什器を用意しており、来店者はタイヤ空気圧チェックができる。近くにスタッフを配置し、使用についてもサポートしている。その際、タイヤ表面のキズ、経年変化によるタイヤ表面が硬くなりグリップ感がなくなるなどもアドバイスし、タイヤへの啓発を高めている。
イエローハット
整備・メンテナンス拡充
イエローハットは2023年1月発表時で国内では子会社、グループ加盟店の合計735店舗(バイク館などは含まない)で展開している。自動車タイヤにおける22年4月―12月の売上高は、前年同期比7%増で推移した。加えて取り付けに伴うサービスも伸び、整備作業やメンテナンスメニューを拡充した。
タイヤ・ホイール商品部タイヤ・ホイール課の戸谷徳志課長はタイヤ購入のトレンドについて「耐久性の要望が高い」とし、「お客さまの自動車の種類や運転環境などを考量したアドバイスを行っている」と強調する。
車高が高い車種ではハンドルを回す際、車体はふらつきやすくなり、偏摩耗が発生する要因となる。偏摩耗が発生しないタイヤは均一に消耗するため長く使用できる。
また静かさに対する要求も高まっている。戸谷課長は電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)の普及に伴い、車内騒音を意識する傾向にあると分析する。
こうした中、顧客の要望に耳を傾けアドバイスしたタイヤを購入してもらった後「100キロメートル点検」で、顧客から「喜ぶ声が届いた時は、最高の至福」と笑顔で話す。
この100キロメートル点検はタイヤを購入して店舗で取り付けた後、約100キロメートル走行した後のサービスで、ホイールナットが規定トルクで締め付けられているかや、空気圧の状態などを再度点検するもの。このほか、前後のタイヤのローテーション交換もサービス内容に含まれている。
同社は「タイヤに本気!タイヤで選ぶならイエローハット」を掲げ、タイヤをモチーフにした「ハットにゃん」をキャラクターにしている。全国交通安全運動に合わせた独自のキャンペーンに加え、毎年2月22日「猫の日」には、「全国交通にゃん全運動」を実施している。