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販売商社/レンタル会社 メーカーとユーザーの架け橋
販売商社はメーカーとユーザーの架け橋として非常に大切なポジションにある。オシロスコープなど電子測定器を中心に取り扱う商社もまた、ユーザーのモノづくり要望に応えている。レンタル会社においても最新鋭のオシロなどを貸し出し、研究・開発から生産、保守・メンテナンスまでユーザーの事業活動を支えている。
販売商社/EV・量子計算機向け活況
日本電計の22年のオシロの国内市場は半導体製造装置の組み込み向けなどが好調で前年比16%で成長した。「製品供給の懸念から、在庫確保に向けて調達を急いだ感も見られる」と分析。23年は電気自動車(EV)によるインバーターやモーターの評価検証の解析、さらに量子コンピューターに関係するサプライヤーの製品開発に期待する。
東日本電子計測(仙台市泉区)はEV開発が「オシロ市場を創出したと強く感じた」と22年を振り返る。周波数帯域500メガヘルツ以下のニーズが多く、23年は高周波(RF)測定などの付加機能が要求される教育機関や自動車・車載の開発分野、電子部品などの生産向けに提案する。
東洋計測器(東京都千代田区)は100メガー500メガヘルツクラスのニーズが強く、同社のオシロの売上高を引き上げた。昨年は新製品やプローブの拡充などの商材がそろい、23年はこれら実機による測定提案を行う。「プローブのほか、高分解能、高速波形更新レート、多チャンネルに加え、タブレットタイプなど個性あるオシロの魅力をユーザーに届ける」と意気込む。
穂高電子(横浜市港北区)は「22年は通信やEV関連の市場は、継続して旺盛な引き合いがあった」という。23年はパワーエレクトロニクス市場で要求されるRFやハイパワーの解析に最適な8チャンネルのオシロに加えて、高機能プローブなどを提案する。
遠藤科学(静岡市駿河区)は昨年同様に電子部品(センサー)、半導体の検査装置や製造装置の組み込み用途でオシロ需要があった。また「公的な研究機関での予算に復活感が見られ、量子コンピューター・再生可能エネルギー・蓄電などの分野で引き合いが増加」と言う。
23年は電動駆動モジュール「eアクスル」の小型・軽量化などの開発を見込む。また輸送機器や建機の電動化に注力し「新たな市場としてオシロ需要を高める」と期待する。
マックシステムズ(名古屋市中区)の22年はカーボンニュートラル(CN、温室効果ガス排出量実質ゼロ)に関わる新エネルギー開発投資の高まりのほか、車載向けパワー半導体の需要でオシロが伸長。「車載センサー開発は、高精度・高分解能での測定要求が強まっている」と話す。23年はeアクスル需要が大きく伸びると予想。RF、高精度、高分解能、多チャンネルのオシロの販売を強化する。
国華電機(大阪市北区)の22年オシロ全体の売上高は前年比約10%増で、通信関連と教育機関では倍増を見せた。500メガヘルツで4チャンネルが幅広く採用された。同社は「オシロの広帯域化、高分解能化、多チャンネル化、プローブの高性能・多様化は、半導体分野で販売拡大につながる」と23年も期待を高める。
九州計測器(福岡市博多区)は「自動運転のレベル4/5、第6世代通信(6G)の開発に伴う引き合いが高まった」とオシロ需要を話し、飛行ロボット(ドローン)では高度の安定化要求が見られた。23年はパワー半導体と6Gの開発で、多チャンネルオシロと同社独自システムの計測提案を検討する。
レンタル会社/DX推進けん引
オリックスレンテック(東京都品川区)は、CN達成に向けた新技術の開発やデジタル変革(DX)化の推進がけん引した。23年は次世代高速シリアル通信の規格適合試験(コンプライアンステスト)や、EVとパワエレに向けて多チャンネルオシロや車載向けオプションに期待。「多彩なレンタルプログラムで、ユーザーの技術革新とマーケット拡大に貢献する」と言う。
SMFLレンタル(東京都千代田区)の22年は「パワー半導体を中心に、広い周波数帯域と高分解能、多チャンネルといったオシロが市場を創出」と述べる。23年はパワー半導体と電力変換器市場の拡大を予想し、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)の測定需要、高速シリアル通信市場に商機を見込む。次世代光通信基盤の構想「IOWN(アイオン)」の実現に向けてもオシロが要求されると見る。
横河レンタ・リース(東京都新宿区)はEVやエネルギー市場で、多チャンネルや広帯域のオシロがけん引した。「即納期での調達や管理工数削減の要求が、レンタル需要を高めた」と分析する。
EVやエネルギー、半導体など多くの市場で需要は増加傾向と予想し、23年はオシロに加えて、測定に必要となるアクセサリーや治具、測定情報などワンストップで提供する。