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福井のグッドカンパニー
エイチアンドエフ社長 山田 烈史氏
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エイチアンドエフ社長 山田 烈史氏
社員の力 発揮させる
ー車業界向け大型プレス機械を中心に周辺の自動化設備含むライン全体のトータルコーディネートが強み。市況と今後の見通しは。
「鍛圧機械業界は回復基調。大型プレス関連も一昨年を底に受注は伸びているが、勢いに力強さが感じられない。国内は長納期の大型案件、海外は短納期案件が目立つ。部品調達も来年まで厳しそうで先行発注と組み立ての工夫などでやりくりするが、納入先の土木工事を含む計画変更などもあり、不透明感が拭えない。そんな中、コイルラインの案件が増えている。一概には言えないが、ある海外顧客によると内製化の動きがあるようだ」
ー環境への取り組みが重視されています。
「ブランキングプレスラインのほか、レーザーブランキングラインも手がけている。高速レーザーでカットし、大量の金型を持つ必要がなく、2014年に業界で初めて納入し、実績が着実に増えている。金型レスで、カーボンニュートラルに貢献できることから評価が高まっており、結実させるタイミングに来たと感じ、注力していく」
ー23年度からの3カ年計画の方向性は。
「変化、挑戦、成長をキーワードに“サステナブルな未来を創るモノづくり”をモットーにする。社会の変化に対応し、あらゆるものに挑戦。個人として、会社として成長を目指す。コミュニケーションの円滑化、一体感醸成で社員が実力を発揮できる環境を創出。モチベーション喚起に向け、資格取得の報酬改善も図っていきたい」
武生特殊鋼材社長 河野 通郎氏
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武生特殊鋼材社長 河野 通郎氏
クラッド材 海外攻勢
ー独自の異種金属接合技術で製造する多積層鋼のクラッド材が、ダマスカス包丁をはじめ、多くの高級包丁で高く評価され、好業績をけん引しています。
「2014年に公表し、15年度スタートの10年ビジョンで売上高20億円突破を目標に掲げた。22年度はこの目標達成と過去最高の業績更新ができそうだ。切れ味がよく、長く使える品質の高さへの評価に加え、近年、多くの日本人シェフが世界で活躍し、世界的な日本食ブームも相まって人気で、当社のクラッド材はそのほとんどに使ってもらっている」
ー23年度および中長期の事業戦略は。
「材料価格高騰と高級包丁の値上げ前の駆け込み需要の反動減が懸念材料。包丁を持っていない家庭は無く、世界的インフレに伴う消費意欲減退なども想定される。23年度は厳しい見込みだが、売上高20億円以上の安定的な達成に挑戦していく。23年度からの2年間は25年度スタートの次の10年間の成長に向けた準備も進めていく」
ー具体的には。
「10年ビジョンで掲げた新工場を建設する。現工場はフル稼働のため、23年内に本社工場敷地内で着工し、25年の稼働を目指す。クラッド材は多様な特性、機能を付加できる課題解決型材料だ。海外の刃物メーカーや金属を扱う多様な企業への提案強化に向け、海外営業担当を今春から増員する。このほか、当社従来品と比べ、高硬度・切れ味の良さと、高耐食性を高い次元で両立した新素材も複数、市場投入していく」
日華化学社長 江守 康昌氏
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日華化学社長 江守 康昌氏
成長分野に大胆投資
ー2023年からの3カ年中期経営計画をスタートしました。
「今年は経済活動の活発化が期待できる一方、物価高騰、在庫を掃くための生産活動停滞などがマイナス材料。難しい経営のかじ取りが迫られる。前3カ年は身をかがめ、ぐっと我慢し、コスト削減で有利子負債を約半分に圧縮。バランスシートが小さくなり、会社の体質を変えた。新中計は規模よりも〝質〟的成長を図る。選択と集中を行い、成長分野の投資は大胆に行う」
ー具体的には。
「1人当たりの生産性改革やDX(デジタル変革)推進は道半ばで研究開発、生産活動において発展途上。効率を上げ、経営の質を高める。また、社会課題解決に軸足を置いた提案、製品展開に集中。環境、健康・衛生、先端材料のEHD分野に集中的に投資する」
ー化粧品の新工場を検討しています。
「美容室などプロ用の化粧品事業は成長が期待でき、自動化を進めた工場を目指す。ヘアケアやヘアカラー、成長するスカルプ(頭皮)ケア、メンズ向けの製品を拡充。デジタルコミュニケーションでブランド認知などを強化する」
ー化学品の展開は。
「半導体インゴットのスライス加工用クーラント剤は使用済み廃液を回収・リサイクルし、再使用する独自の資源循環型ビジネスモデルを展開している。顧客のゼロエミッションにつながり、ニーズは高く、成長を見込む。繊維業界向けは繊維産業の将来有望な南アジアで生産拠点を含む投資を視野に入れる」
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北陸新幹線延伸を控えた福井駅