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環境配慮製品PR
多様な流体を制御
バルブは流体を流す、止める、逆流を防止する、量を調整するなどの働きを担っている。取り扱う流体は水、水蒸気、ガス、燃料、原材料などさまざま。社会インフラや電力・化学プラント、建築設備、食・医薬品、半導体など数多くの産業を、見えないところで活躍する縁の下の力持ち的な存在として、安全・安心の社会基盤を支えている。緊急事態の際には“確実に”開く・閉まるという非常に重要な任務もあり、メーカー各社は信頼に応える製品づくりに取り組んでいる。
日本バルブ工業会のまとめによると、2021年度のバルブの生産額は20年度に比べ約2割増の5515億円。輸出額は6066億円、輸入額は2855億円だった。新型コロナウイルス感染症拡大に伴う需要の落ち込みからの反動で、国内生産額、輸出・輸入額とも過去最高額を記録した。
バルブ生産額を品種別にみると自動調整弁が1732億円で、全体の約3分の1を占める。ステンレス弁が1536億円、給排水栓類が1159億円となり、上位3品目で8割以上を占める。ステンレス弁は20年度比36%増で、この10年間で3倍増と急成長しており、国内メーカーへのニーズが高機能・高付加価値製品にシフトしていることを表している。
環境負荷低減に貢献
日本バルブ工業会では創立70周年を迎える23年度までの3カ年中期計画(V70)を策定し、実現に向けた取り組みを進めている。V70は新しい働き方への転換や社会全体の脅威・リスクに対応できるサプライチェーン・サステナビリティーの強化などを掲げている。また、産業界全体が環境保全への取り組みを加速する中、同会もエネルギーシフトや循環型社会に対応することで、環境負荷低減への貢献を目指す。
同会はバルブの品質や性能だけでなく、環境側面でも優れた製品づくりに取り組んだ会員企業製品を登録する独自の環境ラベル制度「環境配慮バルブ登録制度」を16年から運用している。1月にホームページをリニューアルし、同制度に登録されている製品の紹介ページを公開した。登録は会員の自己宣言に基づくもので、2月末時点で10社26製品が登録されている。
新しい紹介ページでは登録製品に写真とPR文章をつけて弁種別に掲載した。制度を運用する同会環境委員会では、「環境配慮設計なのに登録されていない製品も多い。グリーン調達に気を配るユーザーへの訴求力のあるページをつくることで、会員企業に製品登録を促したい」とし、23年度末までに20社以上の登録を目指す。
さらにカーボンニュートラル実現に向けて、24年度には「カーボンニュートラル中長期目標」を公表する予定となっている。
ごあいさつ 日本バルブ工業会 会長 堀田 康之
「温室効果ガスゼロ」専門委を新設
一昨年、当工業会は2023年度を最終年度とする中期活動計画V70「All for Society―社会を支えるバルブ産業の更なる進化のために―」を策定し、それぞれの分野で掲げているV70達成に向けたアクションを推進しております。
また、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)に向けては専門委員会を新設する提案がなされるなど、業界を挙げて取り組む機運も高まってきており、当工業会会員企業の皆さまと連携しながら、危機感や問題意識の共有や現状の分析を進め、24年度にはカーボンニュートラル中長期目標を公表したいと考えています。
世界経済フレームの分断はバルブ産業に少なからぬ影響を及ぼしており、厳しい状況が続くものと思われますが、いかなる環境にあっても我々がなすべきことは、お客さまのニーズに合った製品、テクノロジー、エンジニアリングをタイムリーに提供することに尽きると考えております。
当工業会会員企業の総力を挙げて業界全体の発展に努めてまいる所存ですので、今後ともご指導ご鞭撻(べんたつ)の程、よろしくお願い申しあげます。
第12回 バルブフォト五七五コンテスト
●写真と川柳で表現
日本バルブ工業会は毎年、広く一般の人に向けて、バルブの認知度を高めより親しみを持ってもらうため「バルブフォト五七五コンテスト」を実施している。バルブが日々の暮らしの中でどのように役立っているのかを写真と川柳で表現した作品のコンテストで、プロ、アマチュアを問わず誰でも応募でき、入賞作品には賞金も贈られる。今回で12回目となった。
2022年6月1日から23年1月31日まで募集し、227人から398作品の応募があった。その中から吉田聖さん(北海道)の「負けない」が最優秀作品賞に輝いた。そのほか広報委員長賞1件、五七五賞1件、優秀作品賞3件、入選5件が選定された。前回までの分を含む各受賞作品は日本バルブ工業会ホームページ(https://j‐valve.or.jp/)で閲覧できる。
最優秀作品賞『負けない』
● コロナ禍を 生き抜くために できること
吉田聖さん(北海道)
広報委員長賞『バルブ群』
● バルブ群 何が何の 役目かな
岩元禎さん(愛媛県)
五七五賞『花筏』
● 仕切弁 開ければ 春の宴かな
福田康幸さん(栃木県)
優秀作品賞『医療現場の支え役』
● 開け閉めで つながる命 また一つ
KRY1219さん(新潟県)
優秀作品賞『水面を彩る』
● ため池の バルブを囲む ホテイ草
にしおかさん(広島県)
優秀作品賞『がんばれ兄ちゃん!』
● あと少し 水の高さと 俺の足
けんちゃんさん(神奈川県)
入選『温泉冷却中』
● 湯を冷まし ぽかぽか温度で 送りだす
松本望さん(大分県)
入選『レンコン収穫の古い洗浄機』
● 相棒と レンコン収穫 半世紀
糸賀一典さん(千葉県)
入選『冬隣』
● 思い切り 背伸びしてみる 冬隣
みけさん(長野県)
入選『防災』
● 災害時 皆助かる 井戸の水
山野修一さん(熊本県)
入選『街の守護神』
● 片隅で 観客見守る 消火栓
吉村誠さん(奈良県)