-
業種・地域から探す
独創性やアイデアを発揮
東海高周波/省エネに貢献する熱処理技術
-
造管パイプの高周波焼き入れ
新工場で環境対応を強化
東海高周波(廣瀬雅弘社長)は、各種機械部品や特殊品などの高周波焼き入れを主力事業とし、幅広い分野の熱処理を手がけてきた。蓄積したノウハウを生かし、長尺物や一品物など他社では難しい製品にも低歪み焼き入れが可能だ。
近年は省エネに貢献する熱処理技術として、高周波誘導加熱技術に力を入れる。電磁誘導の原理を利用し、金属そのものを発熱させることで熱処理する。周波数の選定で通常の熱処理よりも深い焼き入れが可能だ。高周波誘導加熱や、高周波焼き入れは必要な部分だけを熱処理できるためエネルギー効率が高い。また炉内をバーナーやヒーターなどで高温にする熱処理炉と比較して、二酸化炭素(CO2)の排出量も大幅に抑えられる。さまざまな産業で環境への対応が求められる中、製造工程の省エネや脱炭素化に貢献している。
また同社は工場の環境対応も進める。建設中の三重工場には名古屋市港区の3工場から焼き入れ機を順次移設し、生産工程を再編。さらに新たにエネルギー効率の高い誘導加熱装置を導入することで、消費電力の30%程度を削減できる見込みだ。このほかにもソーラーパネルや雨水用の貯水槽を設置。濾過した雨水をクーリングタワー(冷却塔)に用いるなど環境に優しい設備もそろえる。
中日クラフト/培った技術で短納期に対応
-
バフ研磨処理で精度を高める
独自製品で硬度・耐久性・寿命を向上
中日クラフト(毛利陽一社長)は、独自開発した高硬度クロムメッキ「クロマックス」や黒色無電解ニッケルメッキの需要増加に合わせて、3000リットルのメッキ槽を2槽増設し短納期に対応する。
クロマックスは、硬度・耐摩耗性・離型性に優れ機械部品・金型製造、樹脂成形メーカーから高い評価を得ている。金属メッキ皮膜の中では最高の硬度で、愛知ブランド企業に登録され主力商品の一つとなっている。黒色無電解ニッケルメッキは、複雑形状品でも均一な膜厚が得られるだけでなく、さまざまな母材にもメッキが可能。黒色装飾や防錆を要求される機械部品や、低反射率や光散乱防止が要求される光学部品など幅広い分野での需要が見込まれる。
このほかに亜鉛メッキや黒染めなどの表面処理も手がける。処理温度が40-60度Cと低温のため、熱による歪みの心配がないのが特徴だ。設備は、5・5×2・4×高さ1・5メートルまで対応可能。20トンクレーンを3基保有する大型専用の第3工場と、メッキ槽2槽を増設した小中物専用の第1・2工場があり、米粒サイズから大型金型まで対応する。
「どこよりも速く」をテーマに培った技術と豊富な設備を生かし、メッキ治具の改良と仕組みの構築で短納期を目指す。