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計測の「信頼性」保証
JCSSはジャパン・キャリブレーション・サービス・システムの頭文字による略称で、計量法に基づく計量法トレーサビリティー(履歴管理)制度を表している。計量器について国家計量標準にトレーサブルな校正を行う事業者に対して、計量法関係法規および国際認定機関の国際規格ISO/IEC17025の要求事項を満たしているのかを製品評価技術基盤機構(NITE)の認定センター(IAJapan)が経済産業大臣に代わり審査して登録する。
また産業技術総合研究所(産総研)、情報通信研究所(NICT)がそれぞれの国家計量標準の維持・管理を行っている。
IAJapanの審査は①書類審査②登録申請者の設備や校正作業の現地調査(または遠隔審査)③技能試験への参加状況を経て登録される。登録後はさらに4年ごとの登録更新審査を経る必要があり、校正事業者の能力に信頼性を付与している。
登録された校正事業者は登録を受けた区分(範囲)内の自社製品や依頼を受けた製品に対して校正を行い、校正結果によってJCSS標章を付けた校正証明書を発行できるようになっている。
計量トレーサビリティーでは①国際計量標準または国家計量標準への切れ目のない校正の連鎖②文書化された測定の不確かさ(計量器の精度)③文書化された測手手順④認定された技術能力⑤国際単位(SI)へのトレーサビリティー⑥校正周期が求められ、JCSS標章付き証明書は①から⑤までを満足する必要がある。
登録区分
NITEが定めた区分の名称に「長さ」「質量」「時間」「温度」「圧力」「電気(直流・低周波)」など25の分野がある。
JCSS登録事業所数は2022年11月末において283事業所で、うち国際的に通用する校正証明書を発行できる認定事業所は249事業所となっている。事業所が発行するJCSS校正証明書発行件数は18年度累計約57万枚、19年度と20年度は同約59万枚、21年度は61万枚となった。
グローバル対応
IAJapanは国際試験所認定協力機構(ILAC)、アジア太平洋認定協力機構(APAC)の相互認証取り決め(国際MRA)に参加している。これによりビジネスのグローバル化に伴う計量器の精度を、国際的にも証明する要望に対応する。米国(NVLAP、A2LA)、英国(UKAS)、ドイツ(DAkkS)、豪州(NATA)などの認定機関が認定した校正事業者が発行する校正証明書と同じ効力を発揮する。
これはIAJapanの登録審査に、さらに①2年以内の認定維持審査②技能試験への参加を経た校正事業者は「認定事業者」としてILAC MRA付きJCSS認定シンボルが記載された校正証明書を発行することができる。この校正証明書は国際取引において通用する証明書で、日本品質への信頼性を高める。
認定制度 創設30周年
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認定制度創設30周年
日本の認定制度にとって節目の年を迎えている。22年はIAJapanが創立20周年、産業標準化法試験事業者登録制度(JNLA)が創設25周年を迎えた。
23年はJCSSが創設されて30周年となる。IAJapanと同じく国内認定機関の一つである日本適合性認定協会(JAB)も創立30周年を迎える。
これを記念してIAJapanはJABと共同で「新たな価値に信頼を―これまでも そして これからも―」をテーマに、6月15日と16日に「認定制度創設30周年記念イベント」の開催を予定。日本の適合性評価分野への理解促進と発展を目指す。適合性評価や認定・認証制度について興味を持つ幅広い層を対象に、オンラインでライブ配信する。
またイベント専用の特設サイトを開設して、認定に関する各種PRコンテンツも公開を予定している。
詳細はNITEのホームページへ。