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わが社の一押し 小田原市・コダマコーポレーション・オータックス
小田原市/企業誘致、市内立地に手厚い支援
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小田原市のシンボル「小田原城天守閣」 -
緑に囲まれた好環境で交通アクセスも良好な西湘テクノパーク
立地に係る奨励金最大2億円
神奈川県小田原市は2021年4月1日に企業誘致推進条例を改正し、立地企業に対して最大1億円の立地奨励金に加え、本社を置く場合に同5000万円、市内企業への工事発注で同3000万円、市民雇用で同2000万円を上乗せして交付総額最大2億円となる手厚い支援策を打ち出している。これに併せて固定資産税・都市計画税を2分の1に軽減する優遇期間も3年間から5年間に延長した。
同市は第6次小田原市総合計画「2030ロードマップ1・0」で、すべての市民が安心して快適に暮らし続けることができる「世界が憧れるまち“小田原”」の実現を目指している。工場や研究所、本社やサテライトオフィスなどを誘致し、質の高い魅力的な働く場を市内に生み出して人も呼び込み、「地域経済の好循環」を実現することを目標に掲げる。
「第6次小田原市総合計画は企業誘致を重点施策の一つに取り入れた。それに先立つ企業誘致推進条例の改正では、他市に負けない充実した支援内容を準備した」(経済部産業政策課)とアピールする。
小田原市は神奈川県西部の中心都市。鉄道6路線が乗り入れ、新幹線を利用すれば東京まで30分余り。また、市内の工業用地は高速道路・自動車専用道路に10分程で接続できる。
市の東部に位置する西湘テクノパークは開発面積約30ヘクタールの工業専用地域。小田原厚木道路の二宮インターチェンジから3キロメートルの至近距離にあり、1区画1・5ヘクタールを分譲中。また、市の中北部に位置する鬼柳・桑原地区工業団地は開発面積9・4ヘクタールの工業地域。富士山を遠く望む酒匂川沿いに整備され、1区画0・8ヘクタールを分譲中だ。
経済部産業政策課は「新たな立地場所として小田原を選択いただき、企業の発展とともに、一緒にまちづくりを進めてもらいたい」と話す。
コダマコーポレーション/CAD/CAMで日本を変える
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社長 小玉 博幸 氏 -
建設・設備・プラント業界への展開が進む最新システム「トップソリッド7」のレンダリング画面
生産性高める経営ツール提供
コダマコーポレーション(横浜市都筑区)は創業以来、日本の製造業のさらなる発展を願い、生産性を飛躍的に高めるCAD/CAM/CAEシステムやサービスを提供している。1996年に国内総代理店となったフランスのTOPSOLID社製3次元CAD/CAMシステム「TopSolid(トップソリッド)」シリーズの導入企業は4500社余りで、ライセンス数1万件超。“お客様第一主義”を徹底してきた結果だ。
トップソリッドシリーズは、設計から製造までのデータの一気通貫を実現する。設計変更があった場合でも、数値制御(NC)データの修正などの手間がかからない。CADと連動する形でNCデータも自動修正される。
コダマコーポレーションは導入企業にシステムを活用してもらうための技術サポート、教育セミナー、コンサルティングなどのサービス面で高い評価を得ている。小玉博幸社長は「CAD/CAMは生産性を高める経営のツール。加工技術をデータベース化し、担当者に依存せず現場の全員がすべての工作機械を操作できる仕組みづくりが大事。それを手助けするサービスより重要な仕事になってきた。」と手応えを語る。
四半世紀に及ぶモノづくり業界での実績を踏まえて、新たな市場も開拓しつつある。数万点の部品・部材を管理できる製品データ管理(PDM)標準搭載の最新システム「トップソリッドデザイン7」で、建設・設備・プラント業界への展開が進む。大規模建造物や大小の配管・バルブなどが入り組む複雑なプラントでも、3次元の高精度設計を実現する。ビルディング・インフォメーション・モデリング(BIM)に対応し、ユーザーは設計仕様の変更なども描画ですぐに仕上がりを確認できる。
建設プロセスの効率化にとどまらず3Dデータで事前の干渉チェックをし、現場での合わせ作業を少なくすることも可能だ。
オータックス/タイ工場、電子機器の生産能力倍増
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社長 富田 周敬 氏 -
タイ工場の既存棟。8月をめどに新棟を建設し、中国からの生産シフトやDMMS事業の拡大を進める
受託設計・製造サービスも本格化
オータックス(横浜市港北区)はスイッチやコネクター、端子台などの電子部品の製造・販売を主軸に、電子機器の設計・製造を一括して請け負う新規事業「DMMS」(開発型総合機構製品製造サービス)も展開している。自社開発品の生産能力を高めるため、2023年8月の完成を目指し、タイ工場(プラチンブリ県)の拡張工事を実施中。これを機にDMMS事業も本格展開する考えだ。
新しい工場棟は、延べ床面積がおよそ7000平方メートルの2階建て。既存の工場棟と合わせた延べ床面積は、約1万平方メートルに達し、端子台やスイッチなどの生産能力が2倍に高まる。
新工場棟の完成を契機に、DMMS事業も本格展開する。顧客が示す商品コンセプトに基づいて、機構部品の設計・開発を請け負うとともに、タイ工場の製造設備を活用し、受託製造も手がける。すでに入退室管理用の静脈認証装置や、コロナ禍で注目されたパルスオキシメーター、携帯情報端末用の充電器などで実績がある。今後も引き続き「セキュリティー(S)、ヘルスケア(H)、エネルギー(E)のSHE分野で、小型・ポータブル機器の製品化ニーズに応えていく」(富田周敬社長)と意気込む。
さらに同社は、コロナ禍に伴うロックダウン(都市封鎖)で顕在化した対中依存のリスクを回避するため、主に中国の工場が担ってきた量産機能を一定程度、東南アジア諸国の工場に分散させる計画だ。コロナ禍を教訓に東南アジア諸国への生産シフトを進め、サプライチェーン(供給網)の強靱化を図っていく。
このためタイの拡張と並行して、生産性を高めるための自動化・省力化設備を、各工場に導入していく。すでに製品検査用の画像処理装置や、スイッチを自動で組み立てるロボットの配備を進めており、製品供給の安定性が高まって、顧客企業の事業継続に大きく貢献しそうだ。