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わが社の一押し スチールプランテック・横浜ガルバー・菊水電子工業
スチールプランテック/脱炭素化へ環境対応型高効率アーク炉
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中国で昨年稼働した環境対応型高効率アーク炉「エコアーク」
「グリーン&スマート」最新技術で貢献
製鉄プラントエンジニアリングメーカーのスチールプランテック(横浜市港北区)は2030年を見据えてスローガンに「Green&Smart(グリーン&スマート)」を掲げ、脱炭素を実現する技術革新と最新技術を駆使した製品のスマート化に取り組んでいる。
大幅な省エネルギーを実現する環境対応型高効率アーク炉「ECOARC(エコアーク)」シリーズと、ロボットの活用や画像応用・AI/ビッグデータ解析による操業支援サービス分野で開発が進むスマートプロダクツ「Sシリーズ」を核として、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)実現に貢献する構えだ。
横浜ガルバー/最新設備・技術の新工場で環境対応メッキ生産
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横浜ガルバーの溶融亜鉛アルミニウム合金メッキ(AZ)加工
インフラ長寿命化へ高耐食合金メッキにも力
横浜ガルバー(横浜市鶴見区)は1951年の創業以来、メッキ技術で各種インフラに使われる鋼材を錆から守ってきた。22年3月に稼働した鶴見駒岡工場(同市鶴見区)は、国連の持続可能な開発目標(SDGs)やカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)への取り組みを加速させるために最新設備や技術を導入した環境対応メッキ工場。高耐食性に優れた溶融亜鉛アルミニウム合金メッキ(AZ)に対応したメッキ槽は、長さ9000ミリ×幅1600ミリ×深さ2500ミリメートルと国内最大級。小山工場(栃木県下野市)を含めたメッキ加工能力は月産5000トンとなった。
AZは19年に日本産業規格(JIS)H8643として規格化され、鉄塔や橋の支承などで高い耐食性を発揮する。高口謙一専務は「顧客からの高耐食・長寿命化の要求に応え、付加価値を向上させていきたい」と話す。
菊水電子工業/直流双方向電源で大容量・超コンパクトを実現
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タッチパネルで直感的な操作も可能
(PXBシリーズ正面) -
多彩なアナログ・デジタル・通信用インターフェースを備える(PXBシリーズ背面) -
PXBシリーズについて「海外市場でも十分勝負できる」と話す岩崎営業部長
最大電圧1500ボルトに対応、来月3機種投入
菊水電子工業は4月中に、電力回生機能を搭載した双方向大容量直流電源「PXBシリーズ」を発売する。3U(1Uは高さ44・5ミリメートル)サイズの筐体で定格電力20キロワットの大容量を実現。昨春の展示会に参考出品され、発売が待望されていた。電源と電子負荷機能を併せ持つ双方向直流電源は同社初の製品化になる。最大電圧1500ボルトに対応する。
製品はProgressive(先進的・革新的)の「P」、アプリケーションを限定せずさまざまな物につながるという意味合いで「X」、双方向電源Bi-directional Power supplyの「B」からネーミング。岩崎一憲営業部長は「展示会の参考出品から1年近く準備を重ね、満を持しての正式リリース」と胸を張る。
最大の特徴は20キロワットという大容量でありながら、これまで考えられなかった超コンパクトサイズ。3Uサイズの筐体に20キロワットの大容量を凝縮した。また最大10台を並列接続し、200キロワットまで電源試験が可能。さまざまな用途に対応するため、電圧レンジ50ボルト、100ボルト、250ボルト、500ボルト、1000ボルト、1500ボルトまで6機種を順次ラインアップする計画だ。最高電圧1500ボルトモデルを含む3機種を、4月に初回リリースする。電源入力は交流三相200ボルトまたは同400ボルトの選択になり、いずれも出力制限なく100%フル出力が可能だ。
製品化の狙いは電動化への対応。ハイブリッド車(HV)、電気自動車(EV)に続き、EVバイクなども登場し、高電圧・大容量の車載電装品が増えている。特にニーズが高まっているのがバッテリー関係の試験。例えば商用電源から駆動バッテリーに電力を供給する車載充電器(オンボードチャージャー)の試験で、バッテリーのシミュレーターとして双方向電源が使われている。
すでに国内外の競合メーカーが双方向直流電源を製品化しており、後発となる菊水電子工業はPXBシリーズで小型化とともに最大10台並列接続して200キロワットまでの試験に対応し、飛躍的に使い勝手を改善。切り替え時間わずか10ミリ秒で充放電パターンを任意に設定し、試験ができる。回生機能により消費電力も削減する。
車載電装品に続き、双方向直流電源の需要拡大が見込まれるのは脱炭素化に向けたグリーン・トランスフォーメーション(GX)の動き。岩崎部長は「モビリティー関係でもEVから建機や農機、船舶、航空機へと電動化が波及し、政府の後押しにより再生可能エネルギー分野などのGX関連市場がさらに活況を呈するのは間違いない。大容量・コンパクトのPXBシリーズはGX関連市場へのプロモーション製品になる」と展望する。
菊水電子工業が昨春、PXBシリーズを展示会に参考出品すると反響は大きく、並列接続台数などの制約はあるものの同じ3Uサイズ/20キロワットの先行モデルを製品化してニーズに応えていた。岩崎部長はPXBシリーズについて「菊水の技術の粋を集めた製品。海外市場でも十分に勝負できる」と期待する。