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スーパーエンプラ
加工コスト抑え採用増
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スーパーエンプラを用いた製品例(KDA)
エンプラは長期耐熱性、機械的強度などの特性が優れた熱可塑性樹脂。おおむね耐熱性100度C以上、強度50メガパスカル以上、曲げ弾性率2・4ギガパスカル以上という特性が目安だ。特に150度Cを超える高温でも長時間耐えられるものはスーパーエンプラと呼ばれている。スーパーエンプラは高性能・高機能で材料価格も高い。
PEEK、成形・切削を組み合わせ
スーパーエンプラを代表する樹脂の一つがポリエーテルエーテルケトン(PEEK)。PEEKは連続使用温度が260度Cという、非常に優れた耐熱性を持つ。濃硫酸以外のほとんどの薬品に耐性があり、機械的には高い耐摩耗性を示す。東京都大田区に拠点を構えるKDAはこうしたPEEK製品の加工を得意としている。
同社はPEEK製品のコストを抑えるために成形と切削を組み合わせたハイブリッド加工「ジャストインメイク」工法を開発した。精密金型による射出成形と異なり、まず最終形状に近い大まかなラフ成形を行い、次に切削工程で細かな形状を加工し、寸法精度を確保する。高価な精密金型は使用しないため、大幅なコストダウンが可能になる。
PPSU、透明性生かし可視化対応
KDAが最近、特に力を入れているのがポリフェニルサルフォン(PPSU)製サニタリー管。PPSUは透明性を有し、耐熱性は200度Cを超えるスーパーエンプラだ。耐薬品性、耐衝撃性にも優れている。
PPSUサニタリー管は食品や医薬品などの製造ライン、水処理や各種製造装置などの配管の可視化ニーズに対応した製品。ガラス製従来品に比べ、破損リスクが低く、従来樹脂製品よりも肉厚で変形に強く高耐久。
専用成形型などの独自技術により、射出成形では難しい10ミリメートル超の厚みを実現。食品・医療関連用途で必要な高圧蒸気滅菌処理が可能だ。2018年の発売から順調に実績を伸ばし、22年度は年間で2000本を販売した。