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情報通信機器の故障 生産ラインの停止
電源・機器上に設置 異常電圧、外へ流す
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音羽電機工業は用途別など多彩なSPDをそろえ、雷サージから保護する
雷害は直撃雷や誘導雷があり、両方に対して対策が必要とされる。直撃雷は雨雲と大地間の放電による落雷を指し、ビルなどの構造物や樹木などの物体に直接落雷する。建物の損傷や火災の原因となり、雷サージと呼ばれる異常な高電圧や大電流を発生させることもある。
気象庁による1991年から2020年までの目視観測の雷日数の平年値は、東北から北陸地方にかけて日本海沿岸の観測点で多く見られる。金沢市は平年値が45・1日と最多のエリアになっており、夏だけでなく冬にも雷が多く発生していることによる。
こうした落雷による被害を防ぐ方法としては避雷針による外部保護システム(外部LPS)が挙げられる。避雷針は落雷を誘導し、建物の代わりに雷撃を受ける役目がある。避雷針で受けた雷電流を地中に埋め込んだ接地電極で雷電流を大地に拡散させる。
誘導雷による電子機器の雷害に対策が求められる。誘導雷とは建物や樹木に直接雷があった際、電磁誘導により付近の通信線や電線などに異常な電流が発生し、建物内部に侵入する現象。
この異常電流は雷サージと呼ばれ、家電製品や情報通信機器、設備機器の破損や誤動作、劣化、稼働停止などの原因となる。建物付近の落雷に限らず、遠方での落雷でも影響を受ける可能性がある。
雷サージの対策は避雷器(サージ保護デバイス=SPD)などによって行われる。
SPDは雷による過電圧を抑制し電子機器などを保護する。保護したい機器や電源上に設置し、許容量以上の異常電圧を検知すると、設置線から外へ電流を流す。想定する雷撃や接続回路、機能などによりさまざまなクラス、種類がある。
配電盤や分電盤に取り付けるタイプのほか、オフィス内のLAN環境や高解像度の監視カメラに対応したSPDなどが用意されており、雷サージの侵入経路ごとに適切に導入する必要がある。
第20回 雷写真コンテスト グランプリに岡部広明さん
音羽電機工業は雷光の撮影を競う「第20回雷写真コンテスト」のグランプリに、岡部広明さんの作品「名月を引き込んでくれ避雷針」を選んだ(写真)。入道雲が背後に迫る様相と上向き雷を見事に捉えた点などが評価された。
岡部さんは「岐阜城に昇る中秋の名月の気配を感じる中、思いがけず背後に稲光を見た」とした上で、「月は昇っていなかったが稲光は写っており、運命を感じた」と受賞の喜びを語る。
写真コンテストは同社が雷の理解を深める目的でスタート。20回目を迎えて、審査委員でもある同社の吉田修社長は「地球の温暖化など環境が大きく変化し、技術革新も進歩してきた」と述べ「デジタル化により真贋(しんがん)を見分ける力が必要となる中、自然の雷写真を追い求め、コンテストを継続していく」と、21回目に向けて意義を強く語った。
