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安全意識・技能向上へ
ポスターで注意喚起
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ポスター(日本クレーン協会) -
ポスター(ボイラ・クレーン安全協会)
日本クレーン協会とボイラ・クレーン安全協会は「クレーンの日」に合わせて事業場でのクレーンによる労災防止対策を促している。「クレーンの日実施要項」を作成・配布し、実施要項を基にクレーン装置の保守・点検や、作業に潜む危険をあらためて確認するなど、労災発生防止への意識高揚を図る。
両協会では毎年、クレーンの日に合わせてポスターを作製しており、写真と標語を募集している。日本クレーン協会は「慌てず 焦らず しっかり確認 マニュアル守って クレーン安全」を今年の標語とした。ボイラ・クレーン安全協会は「的確な クレーン操作で ゼロ災害」を優秀作に選定した。
また、日本クレーン協会は11月10、11の両日、金沢市の金沢歌劇座で「第42回全国クレーン安全大会」を開催する。10日の総合集会では「優良クレーン関係業務従事者等表彰」や、安全衛生に関する講演を行う。講演は厚生労働省労働基準局安全衛生部安全課長による「安全行政の課題と今後の展開」のほか、アンコンシャスバイアス研究所講師の張琴氏による「クレーン災害におけるアンコンシャスバイアス」が予定されている。
11日はクレーン等の製造者・使用者の集いとなっており、クレーン関連メーカーが最新のクレーンや関連するシステムについて紹介する。今年は拡張現実(AR)を活用した技能伝承ツールや仮想現実(VR)を活用した模擬体験訓練システムなどについて発表する予定となっている。
資格取得が必須
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玉掛け作業は3人一組で声がけ確認をしながら行う(8月31日に行われた日本クレーン協会の玉掛け技能講習)
クレーンなどの運転業務に就くには、それぞれの機種に対して運転士免許、技能講習などの資格が必要になる。日本クレーン協会東京支部では座学と実技を交え、小型移動式クレーン・床上操作式クレーンの運転技能講習や、玉掛け技能講習などを毎月行っている。
クレーン等の運転技術だけでなく、クレーンのフックに荷物を掛けたり外したりする玉掛け作業にも資格が必要になる。作業に使用するロープの種類や掛け方、クレーンで吊り上げた時の角度・バランスなど、安全性を保つための知識や経験が欠かせない。
クレーン等による死亡災害では玉掛けワイヤロープなどから吊り荷が外れたことによるものが少なくない。玉掛け技能研修の教官を務める岩渕武氏は「指さし呼称で一つひとつ確認することや、意思の疎通、報告・連絡が大事。それを習慣づけることが安全につながる」と強調する。
ボイラ・クレーン安全協会でも同様の講習を各地で行っている。有資格者に対する継続した教育も行うことで、慣れと過信を取り除き、クレーン災害ゼロを目指す。