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高付加価値シフト鮮明
昨年度、生産・輸出入額最高更新
日本バルブ工業会のまとめによると、2021年度(21年4月-22年3月)のバルブの生産額は5515億円で20年度の4606億円からは20%増に迫る拡大を見せた。輸出額は6066億円、輸入額は2855億円だった。
ここ数年は震災の復興需要、首都圏の建築・インフラ整備などにより、建築設備部門の国内需要はある程度堅調な傾向を示してきた。21年度は新型コロナウイルス感染症拡大に伴う需要の落ち込みからの反動で、国内生産額、輸出・輸入額とも過去最高額を記録した。
なお、生産額は経済産業省の鉄鋼・非鉄金属・金属製品統計、輸出入額は貿易統計に基づいている。生産額と輸出入額とは統計の品目区分が異なるため、単純に比較はできない。
バルブ生産額を品種別にみると自動調整弁が1732億円で、全体の約3分の1を占める。ステンレス弁が1536億円、給排水栓類が1159億円。上位3品目で8割以上を占める。
ステンレス弁は20年度比36%増で、この10年間で3倍増と急成長しており、国内メーカーへのニーズが高機能・高付加価値製品にシフトしていることを象徴している。
バルブ工業会 知識普及・認知向上に注力
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バルブの生産額及び輸出入額 -
猛暑日に オアシス見つけ 急降下 作者=長 吉秀さん(福岡県)
日本バルブ工業会はユーザー向けの公開講座の実施や一般の人向けの啓発活動を通じて、バルブに対する認知度を高め、正しい知識の普及に取り組んでいる。
同工業会ではバルブを取り扱う設備施工者などに向け、バルブの専門的技術知識の普及活動を強化している。従来取り組んできた工業会会員企業向けの技術研修だけでなく、会員企業以外の技術者、関係者を対象に「バルブ初級研修」と題した公開講座を実施している。
同講座は建築設備、プラント、エンジニアリング会社、メンテナンス会社、商社、施工会社などでバルブを取り扱う人が対象。バルブの種類・構造・関連法規格など基礎事項から、自動弁など個別製品の解説までを講義する。
直近では11月9、10の両日、「バルブ初級研修―基礎編」をウェブによるライブ配信形式で実施する。ウェブ会議システム「Zoom(ズーム)」を活用する。
講義内容は初日が「バルブの基礎・関連法規格、自動弁の概要」、2日目が「自動弁」。両日とも定員90人。受講費は両日それぞれ2万5000円(テキスト費、郵送費込み)。申し込み締め切りは10月17日。問い合わせは同工業会事務局(03・3434・1811)へ。
一方、広く一般の人に向けて、バルブの認知度を高め、より親しみを持ってもらうための活動として「バルブフォト五七五コンテスト」を実施している。バルブが日々の暮らしの中でどのように役立っているのかを写真と川柳で表現した作品のコンテストだ。プロ・アマ問わず応募でき、入賞作品には賞金も送られる。
現在第12回コンテストの作品を募集中で、応募締め切りは23年1月31日。詳細は日本バルブ工業会ホームページ(https://j-valve.or.jp)。過去の受賞作品も閲覧できる。