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エンジニアリングプラスチック
高強度、広がる用途
エンプラは50メガパスカル以上の引っ張り強度、2・4ギガパスカル以上の曲げ弾性率を持ったプラスチックを指す。汎用プラスチックと比べて耐熱性に優れ、100度C以上での連続使用が可能。充填剤や炭素繊維、ガラス繊維などを混合することで剛性や耐熱性が増す。
プラスチックは結晶性と非晶性に分類される。結晶性を持つエンプラにはポリアミド(PA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアセタール(POM)などが挙げられる。
例えば、POMは結晶結合が強く、機械強度や耐衝撃性に優れる。自己潤滑性を持つため、クリープ特性が高く、耐疲労性にも優れる。寸法安定性も高く、複雑な形状の加工に適している。
非晶性のエンプラはポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAR)、変性ポリフェニレンエーテル(mーPPE)などがある。
PCはエンプラの中でもガラスと同程度の光透過性を持ち、電気絶縁性が高いのが特徴。マイナス100度ープラス140度Cの広範な温度下で使用でき、耐候性にも優れるため、光学レンズや航空機の窓などに採用されている。
また、150度C以上で連続使用でき、機械強度、剛性、耐熱性に優れるエンプラはスーパーエンジニアリングプラスチック(スーパーエンプラ)と呼ばれる。
スーパーエンプラにはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフタールアミド(PPA)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)などがある。
スーパーエンプラの中でもPEEKは耐熱性が高く、約250度ー350度C下で使用できる。酸性、アルカリ性への耐食性が高く、高温スチーム中でも加水分解を起こさない。生体適合性にも優れ、義歯やカテーテルなどの医療向け材料に採用されている。
エンプラファインパウダー提供
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POMパウダーを用いた3Dプリンター造形品(ダイセル提供)
ダイセルグループのポリプラスチックスはPOM、PPS、LCPなどの「エンプラファインパウダー」を市場に提供している。ペレットでは製造が難しいPPS焼結フィルターなど、3次元(3D)プリンター需要の増加を見込み、2022年度に量産を開始する。
また、熱可塑性樹脂の中で最上位の耐熱性を持つポリエーテルケトン(PEK)の開発を進める。耐熱性はPEEKより20度ー30度C程度高まる。
同社は14年に開発した異種材樹脂接合技術「AKIーLock」のユーザーへの提案を強化する。AKIーLockはレーザーを用い、ガラスが溶けない温度で表面に溝を形成し、二次材料を流し込むことで接合する工法。露出したガラス繊維同士が接合するアンカー効果で異種材樹脂の接合強度や気密性を確保できる。これまでに電機メーカーの道路照明灯用ポール内線付きのジョイントボックスの製品化で採用実績がある。
接着剤が不要なドライプロセスのため、環境負荷の低減にもつながる。部品に異なる特性を複数付与することができ、ユーザーの製品開発の可能性が広がると期待される。
