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脱炭素&省エネ住宅をサポートする制度
ZEH支援事業
ZEH(ゼッチ)とはネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略で、断熱性能の大幅な向上と高効率な設備、さらに太陽光発電システムなどの創エネ機器の導入によって年間一次エネルギー収支ゼロを目指した住宅だ。ZEH支援事業では、ZEHに加えて「Nearly ZEH」と「ZEH Oriented」の基準をクリアした新築住宅に対して、1戸当たり55万円の補助金を交付している。
Nearly ZEHとは、多雪地域などで太陽光発電には向かないが基準一次エネルギー消費量から75%以上削減できる住宅のこと。ZEH Orientedとは、狭小地のため同じく太陽光発電には不向きだがZEH基準の断熱性能と省エネ性能は有している住宅だ。
また、ZEH以上の省エネ性能を実現しているなどの要件を満たしたZEH+とNearly ZEH+の場合の補助額は1戸当たり100万円となる。申請手続きは住宅を建築・販売した事業者(ZEHビルダー)へ依頼するのが一般的。公募などのスケジュールは図2を参考にしてほしい。


こどもみらい住宅支援事業
こどもみらい住宅支援事業では、一定の省エネ基準をクリアした新築住宅を建築・購入した子育て世帯または若者夫婦世帯に対して補助金を交付している。
子育て世帯とは、申請時点で03年4月2日以降に出生した子がいる世帯。若者夫婦世帯とは、申請時点で夫婦であり、いずれかが1981年4月2日以降に生まれた世帯だ。
補助額はZEHが100万円、高い省エネ性能を持つ住宅が80万円。後者は3種類ある。一つ目は認定長期優良住宅で、所管行政庁が認定する長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられたもの。
二つ目は認定低炭素住宅で、省エネ法の省エネ基準と比べて一次エネルギー消費量がマイナス10%以上のもの。こちらも所管行政庁が認定する。
三つ目は性能向上計画認定住宅で、建築物エネルギー消費性能向上計画を作成し、所管行政庁からの認定を受けたものだ。
このほかにも対象となる住宅の要件には、自らが居住する新築住宅であること、床面積が50平方メートル以上であること、土砂災害特別警戒区域外であることなどがある。
申請手続きは「こどもみらい住宅事業者」が住宅取得者に代わって行うことになっている。したがって、取得者が直接申請することはできない。こどもみらい住宅事業者とは、同事業に参加するために事前に事業者登録を済ませた住宅の建築依頼先または販売事業者だ。
補助金の交付もこの事業者へされるので、住宅取得者が受け取る方法を両者で決めておく必要がある。交付申請は23年3月末まで。なお、ZEH支援事業との併用はできない。
住宅ローン減税
住宅ローン減税とは新築、中古問わずローンを組んで住宅を購入した場合に、毎年末の住宅ローン残高または購入額のうちいずれか少ない方の金額の0・7%が10ー13年間にわたり所得税の額から控除される制度だ。所得税から控除しきれない場合は、住民税からも一部控除される。
この制度の特徴の一つに、省エネ住宅は最大控除額が多くなることがある。住宅ローン減税が適用される借入額には上限があり、後述のように省エネ性能と入居年によって異なる。
まずは新築住宅から。「長期優良住宅・低炭素住宅(認定住宅)」の場合は22ー23年で5000万円。24ー25年で4500万円。「ZEH水準省エネ住宅」の場合は22ー23年で4500万円。24ー25年で3500万円。「省エネ基準適合住宅」の場合は22-23年で4000万円。24ー25年で3000万円。「その他の住宅」の場合は22ー23年で3000万円。24ー25年で0円(23年までに新築の建築確認がされている場合は2000万円)。
次に中古住宅。長期優良住宅・低炭素住宅・ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅の場合は22ー25年で3000万円。その他の住宅の場合は22ー25年で2000万円。
例えば新築の場合、省エネな認定住宅の最大控除額は5000万円(借入限度額)×0・7%=35万円×13年=455万円だ。一方で、その他の住宅は3000万円(借入限度額)×0・7%=21万円×13年=273万円。182万円の差がつく。
控除期間に関しては、新築の場合は原則13年、中古住宅は10年。ただし新築でも、その他の住宅で24年以降に入居した場合は10年になる。また、中古でも買い取り再販住宅の場合は13年だ。
買い取り再販住宅とは、不動産会社などが買い取ってリフォームした上で販売する中古住宅のこと。そのうち同制度の対象となるには、新築後10年以上経過している、リフォーム工事費が建物価格の20%または300万円の小さい方以上、といった要件を満たす必要がある。


詳細の確認
脱炭素&省エネ住宅をサポートする制度は、今回紹介した以外にも各自治体が独自に行っているものなどもある。そのすべてを調べ尽くすのは非常に困難だ。
そのため実際には、専門家である建築依頼先または販売事業者に相談するのが得策だろう。なお、紹介した制度のスケジュールは変更となる場合があるので、最新情報は各ウェブページなどで確認してほしい。
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【執筆者】住宅・不動産ライター/椎名 前太 氏(略歴)建築家などの専門家とは違う徹底した消費者目線で、難解なことでも分かりやすく書くのが得意。不動産関連書籍の執筆・編集協力の実績は50冊以上。そのほか雑誌やウェブでも執筆。宅地建物取引士。ホームページはwww.zenta1.com/
