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神戸空港 国際化へ動き出す
新たな玄関口として進化に期待
神戸市の中心地である三宮エリアの南には、医療関連の企業や研究機関が集積するポートアイランドがある。この人工島と連絡橋で連結するのが、海上に浮かぶ「神戸空港」。都心部と空港を結ぶ神戸新交通ポートアイランド線(ポートライナー)を使えば、三宮から18分とビジネスでの利便性にも優れている。
サブターミナル、駐機場建設
2006年の開港以降は関西国際空港を補完する空港に位置づけられ、発着回数の制限や国内線に限定した運航を行ってきた。それでもコロナ禍前の19年には、年間利用客数は329万人に達した。25年の大阪・関西万博や統合型リゾート(IR)誘致などにより、今後の関西圏へのインバウンド増加が予想されている。
神戸空港の在り方を官民で議論する「関西3空港懇談会」は昨年、30年前後に国際線定期便を就航させると決定。国内線の発着枠も拡大させることで、国内外の利用客数700万人を目指し、空港の国際化・機能強化が動き出した。
神戸市は国際化対応に総額で約128億円を予算で計上し、空港整備を進めている。その一つが約90億円をかけて建設するサブターミナルだ。国際定期便の運航に先立ち、25年の万博では国際チャーター便や国内線の発着場として使用する。既存ターミナル西側約400メートルの区域に、延べ床面積約1万4600平方メートルの施設を建設する。
出発・到着ロビーや商業施設のほか、国際便の運航に必要なCIQ(税関・入管・検疫)を1階に配置する。2階には六甲山や街並みを一望できる展望デッキなどを設ける。建屋には木材を多用し、東側に隣接させる緑地空間と併せて自然を感じられる空間を創る。
空港機能の強化では駐機場が拡張される。万博開催時までに現在の10スポットに加えて5スポット増やし、国際定期便の運航開始時には21スポットにまで増設する。ほかにも利用者の駐車場の拡張や周辺道路の整備にも取りかかっている。また30年前後の国際定期便の運航開始に合わせて新ターミナル建設なども検討していく。
新たな神戸の玄関口としての神戸空港の進化が期待される。
”MSCベリッシマ”神戸港初入港
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神戸港を発ち、広島港に向かうクルーズ船「MSCベリッシマ」
日本を代表するクルーズポート、神戸港。13日、クルーズ客船「MSCベリッシマ」がポートターミナルに初⼊港した。消防艇による放水や消防音楽隊による演奏、バルーンリリースで入港を歓迎した。
MSCベリッシマは総数トンが17万1598トンと、日本に寄港するクルーズ船で最大級。飛鳥Ⅱの約3.4倍に当たる大きさという。前に寄港した横浜港を出て、13日夕方に神戸港に到着。神戸港で一夜を明かし、14日夜、広島港に向かった。
ポートターミナルには出港を一目見ようと子どもからスーツを着たサラリーマンまで集まり、旗を振るなどして航海の安全を祈願した。
兵神装備、横浜にプロモーションセンター
兵神装備(神戸市兵庫区、市田邦洋社長)は横浜市港北区に「横浜プロモーションセンター」を開設した。
同センターは鉄骨造4階建て、延べ床面積2503平方メートル。横浜営業所(横浜市青葉区)と東日本フィールドサービスセンター(東京都墨田区)を集約し、営業・サービス・技術拠点としての機能を強化した。主力の「モーノディスペンサー」を中心とする製品のテスト場や展示場も設けた。
同社は自動車や電機業界のほか、食品や上・下水道など幅広い分野に産業用ポンプやディスペンサー、その他周辺機器を提供している。滋賀県長浜市に開発・製造拠点および技術研究所を設置しているが、同センターの開設により、東日本エリアの顧客の利便性を向上する。
取締役常務執行役員の藤縄徹総務部長は「これまで以上に、東日本エリアのお客さまとの関係を強くできる場となる。便利に活用していただけるよう対応していく」と強調している。