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トップに聞く 次代の成果を見据えた取り組み 阪神地区産業界
兵庫県南東部に位置する阪神地区にはモノづくり企業が集積し、関西にとどまらず、日本経済の発展の一翼を担ってきた。ただコロナ禍が各企業に与えた影響は大きく、厳しい状況に置かれていた中でも、次代の成長・発展を見据えた準備を着々と進めてきた。そうした取り組みの成果や今後の見通しなどを聞いた。
大河内金属社長 大河内 弘毅氏
人手不足対策で設備投資
電力インフラは好調を維持し、航空機関系も小型・中型やプライベートジェットを中心にほぼコロナ禍以前のレベルまで回復した。アルミニウムも原材料の高騰が寄与するなど、足元は順調に推移する。
今後を見据えた時、喫緊の課題は人手不足対策だ。これは一時的なことではないため、加工の無人化・ロボット化を進める。RPA(ソフトウエアロボットによる業務自動化)導入も視野にある。本格的なロボット化はこれからだが、アルミの切りくずの圧縮・反転機を導入したほか、23年9月期中には青垣工場(兵庫県丹波市)にマシニングセンターと旋盤の導入を予定するなど、段階的に設備投資を進める。
さらなる成長・発展には新市場開拓が欠かせない。手薄な半導体や自動車関連の攻略は必要だろう。材料供給する医療機器関係も期待できそうだ。
既存分野では航空機関系をさらに拡大したい。当社はこれまで50年にわたり、アルミ材料のトレーサビリティー、歩留まり、切断方法を考えてきたという自負がある。そこで、材料の確保から加工、納入までの一貫体制を通じ、材料を効率的に活用できることをアピールし、食い込みを図っていく。
ゼロ精工社長 佐藤 雅弘氏
将来発展へ向けタネまき
航空機関系がかなり回復し、半導体製造装置向け部品加工も現状は落ち着いているが、顧客が今後の増産対応を進めているため受注があり、先は見通せている。それだけに今後の状況に対応できる設備更新が必要で手当てを進めている。
新たな取引先拡大につながりそうな問い合わせもある。加工方法のVA提案が評価され、試作し評価試験が進む。立ち上がりは少し先になりそうだが楽しみだ。加工部品のアイテム増のほか、航空機も今以上の回復が見込めるだけに準備は怠らないようにしたい。
人員体制は厳しい。社員を採用し対応するが、その上で単純作業の機械化も並行して進める。加工対象物(ワーク)の脱着などに多関節ロボットを試験的に導入しテストを重ねている。結果を踏まえ正式導入を予定するほか、少量品も無人化が可能な設備が市場投入されており、本格化させる考えだ。これらは目先だけではなく将来の生産人口減少を見据えたものでもあり、積極的に展開する。
生産拠点拡充も事業継続計画(BCP)の観点から前向きな検討も始めなければならないだろう。24年3月期は企業として将来の発展につながるタネをまく年になるし、そうしなければならない。
SEAVAC社長 清水 博之氏
原点に立ち返り力を発揮
コロナ禍で3年が経過し、実際に進めようとしてきた取り組みも成就できていない現状はあるが、前に進まなければならないと思っている。この間、活発な異業種交流を展開し、会社も私自身も認識を広げようとしてきた。その上で、あらためて社内のてこ入れを考えている。
本業のコーティングだけではなく新たな技術開発は継続するほか、営業やマーケティングも原点に立ち返るつもりだ。本業を核にして新たな取り組みにつなげ、さらなる成長・発展への基盤を強くしたいと思う。それには情報収集やアプローチの方法は変わるはずだし、蓄積したノウハウを工夫して新たな製品開発にも注入することも視野にある。ブランディング活動についても、今後は着眼点をほかに向けていく。外部からは”技術的に求められている企業”との評価を得ていることも心強い。
厳しい状況ではあるが、その半面、どこかでワクワクしているところもある。ここを乗り切れば今以上に成長・発展し、素晴らしい会社になると確信しているからだ。今こそ自分の力を本当に発揮できる時だと捉えている。こうしたさまざまな取り組みが、社会奉仕や地域貢献につながればと考えている。


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