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日本粉体工業技術協会 21年度事業活動
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コロナ禍にあっても熱心な来場者でにぎわいを見せた(国際粉体工業展大阪2021)
日本粉体工業技術協会(京都市下京区)は5月24日、第41回定時総会を開き、2021年度の事業および決算報告22年度の事業計画ならびに予算案を決議した。また役員改選が行われ、会長に牧野尚夫副会長(電力中央研究所研究アドバイザー)を選任、併せて副会長に角井寿雄理事(東京農工大学監事)と村田博理事(日清エンジニアリング社長)を選んだ。山田幸良会長は特別顧問、加藤文雄副会長(ツカサ工業特別顧問)は顧問に就任し、細川悦男副会長(ホソカワミクロン会長)は退任した。
活発さ戻る分科会
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国際会議ホールで開かれた「粉体機器ガイダンス」では多くの聴講者が熱心に聞き入った(国際粉体工業展大阪2021)
21年度は、19年度からスタートした「第2期中期運営計画」の最終年度に当たり、期初に計画した方針や予算に基づき事業計画を進めた。ただ、国内経済は原材料や燃料コストの上昇に加え、新型コロナウイルス感染症の再拡大などの影響を少なからず受けた形となった。
そんな中21年10月13日-15日の3日間、大阪市住之江区のインテックス大阪で「国際粉体工業展2021」が開かれた。同協会では初のリアル展とオンライン展を並行する”ハイブリッド型”展示会となった。また人工知能(AI)の導入、活用が活発化する中、21年4月に「AI技術利用委員会」を発足、会員の利活用促進につながるための活動を始めた。会員数は22年3月末現在で415となり、前年同期比18会員増となっている。以下に主な活動を振り返る。
調査・研究事業では、その核となる分科会活動に活発さがうかがえた。単位操作・常置型と目的指向・プロジェクト型合わせて21分科会が、延べ33回の本会合を開催した。コロナ禍での開催は前年度と同様だったが、各分科会が工夫を凝らし、ウェブ形式での開催も積極的に進めた結果、開催回数は前年度の18回を大きく上回る33回を数え、参加者も1500人となった。
オンライン展示会 併設
教育部門に関しては、単位操作・常置型分科会が中心になり、粉体技術者養成講座が6回開催されたほか、前年度から延期となっていた食品粉体技術分科会の専門講座「食品粉体に関わる先端技術」が21年6月に開かれた。委員会活動では、AI技術利用委員会が発足、本格活動を始めた。ハイブリッド方式による2回の委員会で、AI技術利用に関する活発な議論が展開された。第2回ではAIソフトウエア体験講習会も行われ、好評を博した。
分科会と並ぶ協会活動の柱でもある展示会事業は、21年10月-15日の3日間、「国際粉体工業展大阪2021」を開いた。コロナ禍の影響もあり、出展規模は157社・団体、468小間と前回の大阪開催(19年)の7割強にとどまった。ただ今回はリアル展示会に加え、9月29-11月12日にオンライン展示会を併設、同展として初のハイブリッド形式を採用したことが特筆される。その結果、リアル展4167人、オンライン展3307人の計7474人が来場した。これを受け、22年の「国際粉体工業展東京2022」でも同様の開催形式が採用される計画となっている。
そのほか、21年11月18日には協会創立?周年記念式典を京都市内のホテルで開いた。
22年度は新型コロナウイルス感染が一定、落ち着きを見せている一方で、ロシアによるウクライナへの侵攻、原材料、エネルギー価格の上昇、部品調達難などの国内経済への影響が懸念される中でのスタートとなった。また牧野会長の就任で新体制が発足した。
こうした状況の中、22年度を初年度とする「第3期中期運営計画」が策定された。分科会活動の活性化、新展示会の展開、広報改革、国際化推進、組織強化の5項目を重点目標に掲げ、これら目標を基本に事業活動を展開する。
調査・研究事業では、21の分科会がそれぞれ掲げた中期テーマに基づき活動する。本年度も引き続き感染対策を施した上で、オンサイトやウェブ、ハイブリッド形式を駆使して開催する計画。分科会運営委員会も各分科会が産業界に貢献するとともに、将来の発展に向けた体制づくりを進め、分科会活動の積極的な推進を支援する。
技術委員会関連では、活動2年目に入るAI技術利用委員会が粉体プロセスへの活用などの議論を続け、収集した情報を委員会や国際粉体工業展の「AI技術利用セミナー」などで公開。併せて実習講座を開き、会員企業のAIや関連技術の導入促進につなげる。
広報・普及事業関連では、同協会50周年記念事業の一環として前年度協会ホームページ(日本語版)の全面リニューアルを行ったが、本年度も引き続き改善を行うとともに、英語版のリニューアルも計画する。また本年は東京での粉体工業展開催に当たるため、粉体関連機器や技術に関するガイドブック「粉体技術総覧2022/2023」を発行、会場での無料配布とともに、キーワード検索ができるウェブ版も開設する。
人材育成・教育事業は粉体入門セミナー(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ)のほか粉体技術者養成講座(6講座)、粉じん爆発・火災安全研修(初級、中級)、粉体技術専門講座をそれぞれ予定する。新型コロナ感染防止の観点から、ウェブ形式など企画内容に工夫を加えて実施する。
規格・標準化事業では、標準粉体委員会がガラスビーズ(MBP1-10、GBL)の供給体制に関する検討を継続するほか、19年度に実施したSAP14-12「SAP試験用粉体3」のラウンドロビンテスト結果を基に検討した後、JIS Z 8901「JIS試験用粉体3」として追加を予定する。
規格委員会は協会規格とJISの定期見直しのほか、2件(継続)のJIS原案を日本規格協会に提出し、3件(新規)のJIS原案作成委員会を立ち上げる。またISO/TR13097およびISO/TS22107の対訳版を作成するほか、広報・啓発活動として、新規制定された規格などを紹介するセミナーも予定する。
粒子特性委員会は3件の規格開発プロジェクトを経済産業省委託事業として契約を結びつつ、粒子特性評価の測定解析手順確定に向けISO規格開発活動を行う。
ふるい委員会は試験用ふるいおよび工業用ふるいを用い、粒子をふるい分け検査測定する手順の確定に向けISO規格開発活動を行う。集じん技術委員会は3件の規格開発プロジェクトを経済産業省委託事業として契約を結びつつ、空気およびその他ガスの清浄装置の試験方法の手順確定に向けたISO規格開発活動を進める。
粉じん爆発委員会では、粉じん爆発・火災安全研修(初級、中級)を実施するほか、「国際粉体工業展東京2022」で粉じん爆発情報セミナーを企画・実施する。
海外交流事業は、韓国での「KOREA CHEM」、中国・上海の「IPB」、ドイツ・ニュルンベルクの「POWTECH」に、状況に応じて交換ブースを出展する一方、国際粉体工業展東京2022では、各展示会主催者に交換ブースを提供する。
こうした中、12月7-9日の3日間、東京都江東区の東京ビッグサイト(東1-3ホール)で「国際粉体工業展東京2022」を開く。通算24回目、東京ビッグサイトでは7回目の開催となる今回は、先端材料と粉体シミュレーションの二つの特別展示ゾーンを設けるほか、ニーズの高い”粉”に関する併催企画(粉体工学入門セミナー、粉体機器ガイダンス、最新情報フォーラムなど)を多数企画し、展示会の魅力を高める。
併せて、21年の大阪展と同様、オンライン展示会を併設、東京では初のハイブリッド形式を採用する。オンライン展はリアル展開幕前の11月21日から23年1月27日までの約2カ月にわたって開催され、来場喚起とともにさまざまな成果につながることが期待される。
